観劇

落語『立川談春独演会』千葉市民会館

勤務先に近くで開催された独演会だった。人気が高いせいか、1,001席のこのホールでしかも平日の夜にもかかわらずすぐにチケットも売り切れるような状態だったようだ。 最初の噺は『かぼちゃ屋』、天秤棒を持ってかぼちゃを売りに路地に入っていく与太郎、「…

オペラ『愛の妙薬』メトロポリタン歌劇場(METライブビューイング2012~13)

今シーズンのMETライブビューイングの第一作は、ドニゼッティの『愛の妙薬』(L'Elisir d'Amore)で、ネモリーノをマシュー・ポレンザーニ、アディーナをアンナ・ネトレプコが務めた。 ■あらすじ ネモリーノ(マシュー・ポレンザーニ:テノール)は、女農場…

バレエ『白鳥の湖』ボリショイバレエ団(ワールドクラシック@シネマ2011)

新装されたボリショイ劇場で行われた公演をライブ録画したもので、振り付けはグリゴローヴィチ2001年版、オデット/オディールはマリア・アレクサンドロワ、ジークフリート王子はルスラン・スクヴァルツォフが演じた。 演出も踊りも前回見たロイヤルバレエ団…

オペラ『カルメン』スカラ座(ワールドクラシック@シネマ2011)

スカラ座の2009年シーズン初日に行われた公演で、ドン・ホセをヨナス・カウフマン、カルメンを新人のアニタ・ラチヴェリシヴィリが演じた。なお、開幕に先立って会場起立してイタリア国歌演奏が行われた。観客はこの日のためにドレスアップして訪れ、華やか…

バレエ『白鳥の湖』英国ロイヤルバレエ(シアタスカルチャー)

プティパ=イワノフ版の原振り付けをアシュトン、ビントレーが再振り付けした英国ロイヤルバレエ団オリジナル『白鳥の湖』をライブ中継で上映する催しだった(ワーナー・マイカル・シネマズ)。正確にいうと前日コヴェント・ガーデンで行われた公演を録画上映…

歌舞伎『新富座こども歌舞伎』泰明小学校

すでに数年続いている秋の行事で、銀座6丁目の泰明小学校の歴史ある校舎を背景に、中央区の小学生たちが、『口上』を行い、『寿式三番叟』そして『白浪五人男』の各演目を披露した。 毎週の練習の成果が実り、また協力してくれる父兄等の力もあってとてもい…

『柳亭市馬独演会』市川市文化会館

市川市文化会館の小ホールで行われた柳亭市馬さんの独演会(前座、色物(太神楽)あり)。金曜日の夜であったがベテラン世代のお客さんでほぼ満席だった。 ロビーでは、歌の上手な市馬さん、春日八郎の歌謡曲CDを出しているようで、この販売もされていた。 …

シネマ歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』歌舞伎座、平成22(2010)年2月

佐野次郎左衛門に中村勘三郎、八ツ橋に坂東玉三郎、そして繁山栄之丞に片岡仁左衛門という配役で平成22年2月歌舞伎座さよなら公演を収録したもの。 この狂言のいいところは、まず冒頭から花魁道中が連続で登場し、舞台上の色合いといい響く音といい華やかさ…

歌舞伎『芸術祭十月大歌舞伎』新橋演舞場

十月初日の新橋演舞場は、月曜日ながら八分ほどの客の入りで賑わった。この月は「七世松本幸四郎追遠」と題され、松本幸四郎家にとって大事な興行となる。劇場入り口には幸四郎夫人、染五郎夫人も姿を見せたが、気がかりは勧進帳で太刀持音若を務める金太郎…

ミュージカル『レ・ミゼラブル 25周年記念コンサート』制作:キャメロン・マッキントッシュ、原作:ヴィクトル・ユゴー、2010年(ロンドンO2アリーナ)

このミュージカル(改訂版)が生まれたのは1985年、その二十五周年記念コンサートの舞台を映画化したものである。 今さらストーリーでもないが、以下のとおり。 19世紀初めのパリ、餓えた甥のためにパンを盗んだジャン・バルジャン(アルフィー・ボー)は捕…

「バレエ・ダンサー首藤康之さんが語る『牧神の午後』」日本経済新聞社 東京本社ビル2F 「SPACE NIO」(スペース ニオ)

ドビュッシー『牧神の午後』は自分自身も踊ったベジャール振付による作品であるが、ニューヨークにいた時分(まだ小学生だった)にニジンスキーの写真を見たことが自分にとってその後関心を持ち続ける発端となった。 この写真は、身体をねじり、線をずらすこ…

『大江戸寄席と花街のおどり』有楽町朝日ホール

盛夏に行われたこの催しは「東京文化発信プロジェクト」という東京都主催の企画で、第一部は落語を三席、そしてこれに続いて花街のおどりとして新橋と赤坂の芸者衆による踊りが披露された。 柳亭市馬「七段目」、芝居好きの若旦那は何をやっても芝居がかって…

落語『8月中席』浅草演芸ホール

浅草演芸ホールは初めてだったが、まあともかくずいぶんと老朽化したホールで、次から次へと芸人が登場する。一人あたりの時間が短いのかしら。 一階はほぼ満席で仕方なく二階へ回ったが、舞台を上から見下ろすというのも、落語や漫才のように直接観客に語り…

バレエ『第45回埼玉全国舞踊コンクール』さいたま市文化センター大ホール

少年少女たちの優美ながらも熾烈な戦いは夏休みに行われる。 今年も関東地方を中心に全国から集まった若いダンサーたちが、それぞれ3分という持ち時間にこれまでの長い時間をかけた練習の成果を披露した。 拍手が禁じられているのは寂しいが、それぞれは古…

落語『7月中席』国立演芸場

金原亭駒三「たが屋」、江戸の夏の風物詩といったら花火だが、そんな花火見物の客で賑わう両国橋で殿様一行とすれ違う際にひと悶着。やむなく殿様一行に立ち向かう「たが屋」、江戸っ子らしい気っぷの良さがよく出ていた。 桂ひな太郎「酢豆腐」、寄り集まっ…

バレエ『白鳥の湖』シュツットガルトバレエ団、東京文化会館

シュツットガルト・バレエは2008年の公演以来4年ぶりの来日となる。前回は東京文化会館で『眠れる森の美女』を観たが、その舞台は今でも明瞭に記憶している。その後もバレエ公演を折に触れて見続けるきっかけとなったすばらしい舞台だった。 今回の『白鳥の…

METライブビューイング『椿姫』メトロポリタン歌劇場

今回のMETの椿姫は演出が一風変わっている。ミラノ・スカラ座で使われるような、貴族のサロンやパリのアパルトマンなどを再現する伝統的な舞台装置は用いず、ぐるりと囲む高さ数メートルのコンクリートの壁と大きな時計、そしてソファーが舞台装置のすべて。…

落語『5月上席 昼の部』鈴本演芸場

今日の寄席では、相変わらずの軽妙さで桃月庵白酒が観客に受けていた。語り口が面白く飽きさせない。 中入り後の昭和のいる・こいる、ツッコミ役はずいぶんお疲れで大丈夫かしら、という雰囲気だったが、いつもの定番のネタのやり取りながらこれも受けはよか…

歌舞伎『三月大歌舞伎』新橋演舞場

今日は、千穐楽の一日前、花道横の席で久しぶりにたっぷりと歌舞伎を見た。 ・「佐倉義民伝」 以前も幸四郎の木内宗吾、福助のおさん、染五郎の家綱だったが、今回も同じ配役。 子別れの場面では以前見た時よりも抑えた演技だったが、少し物足りない感じもし…

バレエ『くるみ割り人形』新国立劇場バレエ団

『くるみ割り人形』は、大人も娯しめるバレエになるか、それとも子ども向けのバレエにとどまるのか、これが舞台の成否を決めるポイントである。 この演目は、一幕はほぼ演劇に近く、二幕は伝統的なディベルティスマンが続く形式だから、親しみのある音楽であ…

ミュージカル『オペラ座の怪人』ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホール

ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで25周年記念公演として上演されたこの作品が映画化された。正直なところこれまでミュージカルとは無縁だったけれど、一週間だけ地元の映画館で上映されるという貴重な情報を同僚から得て雨の寒い土曜日に訪れた。 作…

バレエ『海賊』ABT、パフォーミング・アーツ・センター(カリフォルニア州オレンジカウンティ)

『海賊』は、日本ではバレエの演目としてそれほど多く上演されてはいないと思う。クラシカルな作品ではあるが、今回この上演を見てその理由が分かるような気がした。 印象として、舞踊部分の見どころは多くあるが、音楽部分がどうも薄いように感じられる。バ…

バレエ『パゴダの王子』新国立劇場バレエ団

今シーズンの冒頭を飾る演目で、ビントレー芸術監督自身が構想を温め、演出した三幕構成の新しい作品である。日本では、作曲者のブリテンの音楽を含めて馴染みがないせいか、観客も半分期待しつつつも、チラシの「カメレオンとさくら姫」の構図と、あらすじ…

バレエ『リーズの結婚』牧阿佐美バレエ団(ゆうぽうと)

アシュトン振り付けのコミカルなバレエで、フランスの農村を舞台に、リーズとコーラスという若い二人の恋愛劇を描いた作品である。 冒頭からニワトリのダンスがあったり、滑稽な母親とのやり取りなど楽しませる要素が盛り込まれている。またリボンなどの小道…

バレエ『オープニング・ガラ』新国立劇場バレエ団

このシーズンの冒頭を飾る、いわば顔見世の興行で一日限りの開催である。 構成は、まずビントレー芸術監督の振り付けになる『アラジン』の一幕、そして休憩をはさんでパドドゥ三作品(『眠れる森の美女』、『ロミオとジュリエット』、『ドン・キホーテ』)、…

バレエ『ラ・バヤデール』新国立劇場

・ザハロワの主演が予定されていた公演だったが、降板により英国ロイヤルバレエ団の小林ひかるさん(ファースト・ソリスト)が主役のニキヤを演じた。新国立劇場では初めての登場となる。第一幕ではソロルを演じるデニス・マトヴィエンコとパドドゥを踊るが…

チャイコフスキー「白鳥の湖」スカラ座バレエ団、ザハロワ、ボッレ2003年

ミラノ・スカラ座バレエ団「白鳥の湖」(全4幕/ブルメイステル版) [DVD] 出版社/メーカー: TDKコア 発売日: 2005/07/21 メディア: DVD クリック: 9回 この商品を含むブログ (6件) を見る オペラのような豪華な衣装。ザハロワの動きの優美さが際立っている。

バレエ『白鳥の湖』K-Ballet、2003年11月

熊川哲也による改訂振付の『白鳥の湖』である。プロローグで、オデットが白鳥に変えられるシーンが出てくるが、新国立劇場の牧阿佐美版と似た導入の仕方である。解説によると1953年初演のブルメイステル版でこの手法が採用されたのが初めてらしい。 第一幕は…

オペラ映画『魔笛』スウェーデン国立歌劇場

・オペラを映画化した作品 ・着想はよいが、少し古めかしく、歌手の実力も劣るのでは。 モーツァルト 魔笛 [DVD] 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2003/05/24 メディア: DVD 購入: 2人 クリック: 93回 この商品を含むブログ (10件) を見る

バレエ『白鳥の湖』ペルミバレエ、1992年10月

・新星日本交響楽団によるすばらしい演奏 ・アナニアシヴィリ、オデットのヴァリエーションでデヴェロッペが甘い。やはりギエム以前と以降で違うのか。