2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『大エルミタージュ美術館展』国立新美術館

ここはルーブル美術館かと見紛うような、表現の仕方に迷うが「しっかり系」の重厚な作品が多かった。 見事だけれど、これはエルミタージュ美術館という箱に陳列されるのが似合っている。

『セザンヌ-パリとプロヴァンス』国立新美術館

セザンヌといえば、自分にとってはあのリンゴを盛ったテーブルと、サントヴィクトワール山の風景が思われる。 印象派の画家の中でも独特な位置を占めていて、好きなのかというとそうでもなく、では気にならないのかというと少し気になるといった存在である。…

ホノルル美術館所蔵『北斎展』三井記念美術館

北斎の版画作品を集めた展示で、小さなサイズの絵が多い。『富嶽三十六景』などはとくに空の青色の鮮やかさが印象に残った。江戸時代は意外に色彩の豊かな時代だったと言える。富士が巧妙に配置されており、構図も見事だった。小さいスペースで多くのものを…

映画『アーティスト』監督:ミシェル・アザナヴィシウス、2011年

映画の製作において、1920年代後半から1930年代はサイレント(無声)からトーキー(音声同期)への移行期だった。この年代に生きたサイレント映画のスターの栄光と没落を描いている。 ジョージ・バレンティン(ジャン・デュジャルダン)はハリウッドのサイレ…

ボストン美術館『日本美術の至宝特別展』東京国立博物館

ボストン美術館に収蔵されている日本美術には、古代から近世にかけての仏像、絵巻物、掛け軸など極めて多くの作品がある。とりわけ目を引いたのは、曽我蕭白による墨絵「雲龍図」だった。 一連の作品からは、明らかに中国の作風の影響を受けていた時代から、…