2012-01-01から1年間の記事一覧
1 バレエ『くるみ割り人形』英国ロイヤルバレエ(2012年12月鑑賞) 前日にロンドンで行われた公演を「中継」するこころみ。 ロイヤルのくるみと言えばピーター・ライト版で1984年の初演以来愛されている版だが、他の演出と比べ自分には一番しっくりくる。 …
まだ、余すところ二週間ほどあるけれど、今年見た映画の中で秀作の三本(前年以前の公開作品やDVDにより視聴したものを含む)を選んでみたい。 1 リドリー・スコット『ブレードランナー』1982年(2012年2月鑑賞) 初めて見たときの衝撃が忘れられない。宇宙…
思い返すと今年もいろいろなレストラン・居酒屋・バーを訪れた。 去年(2011年)はミシュランの星付き店の実力を感じた一年だったが、今年はどちらかというと落ち着いて自分に合った店を探せたのではないかと思う。 順位などというものはないけれど、とても…
帝政ローマ、ハドリアヌス帝(市村正親)の時代、公衆浴場であるテルマエの設計技師であるルシウス(阿部寛)は、心を落ち着けて身体を癒すことのできる浴場を作りたいと考えていたが、なかなかアイデアが浮かばない。そんな悩みを持ちながらテルマエに浸か…
名作ミュージカルを映画化したものだが、結果としては心を深く打つ作品に仕上がっていた。3時間近い大作だが、まったく時間を感じさせないような展開で、映像のみならず歌の水準も高い。 俳優たちは演じつつ歌手として歌うわけだが、声量こそ劣るものの艶の…
南北戦争当時のバージニアから火星へと瞬間移動した男ジョン・カーター。移動した先の火星では民族同士の争いが起きており、カーターは火星で得た跳躍能力を使って活躍し、火星を滅亡から救うため奮闘する。 壮大、壮大、だけれども見事なまでの駄作。 なぜ…
さきに見た『くるみ割り人形』を英国ロイヤルバレエ(ピーター・ライト版)とはことなり、マリインスキー・バレエでは、ロシアの伝統的な演出であるワイノーネン版を採用している。 もともとくるみ割り人形の初演は1892年12月18日で、このワイノーネン版は19…
年の瀬も近い金曜日の夜だったが、714席のこのホールがやはり満席の状態だった。 最初の噺は『黄金(きん)の大黒』、大家の息子が長屋の子どもと遊んでいて黄金の大黒を掘り当て、そのお祝いで大家は長屋連中を招待して宴席を開こうとする。長屋連中は、じ…
銀座のソニービル8階OPUSで、ベルリン・フィルによる演奏を最新の技術による映像および音源(4K/60pの映像、DSD録音再生による音声)で上映する試みだった。 演奏されたのは、 チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲 第三楽章」ジョシュア・ベル(ヴァイオリ…
少年ピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)は、学校でもいじめられる存在だったが、忍び込んだ遺伝子組み換えを行う企業で研究中のクモに刺されてしまったことをきっかけに身体に異変が起きる。 彼の身体には力強さが宿るとともに科学知識も高…
南北戦争当時のバージニアから火星へと瞬間移動した男ジョン・カーター。移動した先の火星では民族同士の争いが起きており、カーターは火星で得た跳躍能力を使って活躍し、火星を滅亡から救うため奮闘する。 壮大、壮大、だけれども見事なまでの駄作。 なぜ…
戌井朔之助(東山紀之)は、武士の家に妹田鶴(菊池凜子)、そして戌井家に引き取られた新蔵(勝地涼)とともに育った。 おりしも藩は飢饉から立ち直れずにいたが、これには農政の失政が大きく影を落としていた。同じ藩士の佐久間森衛(片岡愛之助)は、妹の…
メリダはスコットランド王国の王家の娘で、小さいころに与えられた弓使いを得意としている。そんなメリダも年頃の娘に育ち、母のエリノア王妃は娘に王子をめとって周辺国との友好関係を築こうとする。しかし、メリダは結婚など眼中になく、いつまでも自由に…
前日にロンドンのコヴェントガーデンで行われた公演を「中継」で放映する試みで、今シーズンについていえばすでに上映された『白鳥の湖』についで第二弾ということになる。 この『くるみ割り人形』、演出はピーター・ライトによる英国ロイヤルバレエの伝統的…
売れない書店を経営するバツイチ男ウィリアム・タッカー(ヒュー・グラント)と、ハリウッドの人気女優アナ・スコット(ジュリア・ロバーツ)がふとした機会に巡り会い、惹かれ合っていく。しかし、ウィリアムは彼女を愛しながらもさまざまなハプニングに見…
この日の演目は、プロコフィエフ、パガニーニ、ベートーヴェンそしてラヴェルと、分かりにくい構成ではあったが、それぞれ曲の特徴をとらえた演奏で、アラカルトで楽しめた。伴奏を務めるマイケル・ドゥセクのピアノも見事だった。 プロコフィエフ『ヴァイオ…
お馴染み007シリーズだが、ダニエル・クレイグによるものは自分にとっては初めてだったと思う。 今回は、舞台をイスタンブール、上海、マカオ、イギリスと移しつつ展開する。かつて00(ダブルオー)として任務を果たしていたラウル・シルヴァ(バビエル・バ…
トラック野郎の二人(山崎努、渡辺謙)がたまたま女店主タンポポ(宮本信子)が切り盛りする寂れたラーメン屋に訪れる。二人は、たむろするヤクザ(安岡力也)とかかわったのをきっかけに、女店主とともに美味しいラーメンを作る店に生まれ変わるべく研究を…
フランキー・ダン(クリント・イーストウッド)は、古びたジムを所有し、トレーナーとしてボクサーの育成を行っている。しかしジムに通う若者の中では世界タイトルを狙うことのできる有望株は一人しかおらず、そのたった一人もフランキーの慎重な対戦相手選…
第二次世界大戦当時、ナチスの迫害から逃れたどり着いたヴィシー政権下のフランス領カサブランカで、かつて愛し合ったリック・ブレイン(ハンフリー・ボガート)とイルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)が思いがけず再会する。しかし、イルザには抵抗…
ケーン氏は新聞王として名声と財産を勝ち得、ザナドゥという大邸宅を構えるが、最期を迎えるときに『バラのつぼみ(rose bud)』と呟いた。この言葉の意味を巡り、彼の経歴をひもときながら謎解きをしていく。 有名な映画ではあるけれど、なにぶんにも映像の…
マノンはオペラでは見たことがあったが、バレエで見るのは初めてで、筋は大体分かるが踊りとしての演出は全く分からず、その点では勉強も兼ねての観劇だった。 上映されたのはマノンはタマラ・ロホ、デ・グリューはカルロス・アコスタが演じた2006年の公演で…
勤務先に近くで開催された独演会だった。人気が高いせいか、1,001席のこのホールでしかも平日の夜にもかかわらずすぐにチケットも売り切れるような状態だったようだ。 最初の噺は『かぼちゃ屋』、天秤棒を持ってかぼちゃを売りに路地に入っていく与太郎、「…
禁酒法時代のシカゴ、アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)は闇で酒を流通させる違法ビジネスで私腹を肥やしていた。従わない市民には血の制裁を加え、またその財力で警察も手なづけ、誰も手を出せない。 この地に派遣された財務省の役人エリオット・ネス(…
弁護士をしているダン(マイケル・ダグラス)は、妻と幼い長女とともに暮らしていたが、あるとき出版社のパーティーで知り合ったアレックス(グレン・クローズ)と一夜を過ごす。彼は遊びのつもりだったが、彼女はそうではなかった。それから家族を巻き込ん…
ヴィト・コルレオーネ(ロバート・デ・ニーロ)は、シチリア島のコルレオーネ村に住んでいたが、村の有力者への上納金を拒否したことがもとで一家を皆殺しされ、追われるようにしてアメリカへと渡った。 渡米後は食料品店で地道に働き、結婚して家族を養って…
第二次世界大戦終了直後のニューヨーク、シチリア島からの移民であるヴィト・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は、マフィア界の五大ファミリーの一つとして、賭博や酒、女などを資金源にしてファミリーを形成し、力を伸ばしていた。彼のところには、解決…
アメリカのマフィア界の頂点を極めたマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)だが、高齢となり、糖尿病にその身体を侵され、マフィアの世界から足を洗って静かに人生を全うしたいと考えている。彼は、1億ドルもの大金を故郷シチリアへ寄付する財団を設立…
ニューヨークの裏町に住むロレッタ(シェール)は、夫と死別して独り身で、親と同居し働きながら生計をたてている。 ある夜、いつものイタリア料理店で長く知っているジョニー(ダニー・アイエロ)からプロポーズされ、とくに彼のことを好きではなかったが、…
ハリウッドでコールガールをしているビビアン・ワード(ジュリア・ロバーツ)は、高校を中退し、いくつかの仕事を経て現在に至っている。派手な化粧と扇情的な装いで毎夜のように街頭に立つ。ある夜、彼女は高級住宅地であるビバリーヒルズへの道を聞いてき…