2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『羅生門』監督:黒澤明、1950年

平安時代、戦乱で荒廃した京都の山中で起きた武士の殺害事件を巡り、関係する盗賊の多襄丸(三船敏郎)、真砂(京マチ子)、巫女(本間文子)の証言がどれもまちまちで何が真実なのかわからない。実は彼らはそれぞれの利害で嘘をついていたのだった。 ■感想…

オペラ『コジ・ファン・トゥッテ』メトロポリタン歌劇場、2014年

モーツァルトで親しんできたオペラと言えば、中学生のころから聴き続けた『魔笛』と、大学生のころからだったかな・・・『フィガロの結婚』の二つです。『コジ』は、ずっと気にはかかっていましたが、とうとう聴かずに50歳の手前まで来てしまいました。 しか…

映画『近松物語』監督:溝口健二、1954年

不義密通は厳しく罰せられた江戸時代に、京都の大店の奉公人茂兵衛(長谷川一夫)が主人の女房おさん(香川京子)とともに逃げた顛末を映画化した作品です。 ■感想(個人的評価:★★---) 歌舞伎の演目を映画化したものですが、緊迫感にあふれた作品に仕上…

映画『雨月物語』監督:溝口健二、1953年

戦国時代に、一旗あげようとする兄弟を描いた話。兄の源十郎は陶工であり、その焼き物が飛ぶように売れる。一方、弟の藤兵衛は侍になり手柄を挙げて出世しようとする。彼らは琵琶湖を渡り、さらなる成功を求めるが、源十郎は亡霊に取りつかれてしまい、大事…

映画『秋刀魚の味』監督:小津安二郎、1962年

妻に先立たれ、娘(岩下志麻)、息子(三上真一郎)と三人で暮らしている周平(笠智衆)であったが、元同級生から酒の席で娘の縁談話を持ち掛けられる。娘は家を取り仕切っていて嫁に行く気はないのだが、周囲は今のうちにと急き立てる。 ■感想(個人的評価…

映画『麦秋』監督:小津安二郎、1951年

北鎌倉に暮らし、独身生活を送っている紀子(原節子)に、勤め先の専務から縁談話が持ちかけられる。紀子は気乗りがしないが、兄の康一(笠智衆)は、相手男性は名家の出身で地位も高く、いい話だと紀子に薦める。紀子はある日、家を出たまま帰らない甥を探…

オペラ『ラ・ボエーム』メトロポリタン歌劇場、2014年

今年のライブビューイングのシリーズでも、この作品だけは一日三回上映されます。それほどの人気演目ということですね。 演出もフランコ・ゼフィレッリによる伝統的な演出で、最近の「新演出」に食傷気味の人や当時のパリの雰囲気を味わいたい観客には一番だ…

映画『晩春』監督:小津安二郎、1949年

鎌倉で、父と娘だけのおだやかなふたり暮らしを楽しんでいる周吉(笠智衆)と紀子(原節子)だが、姉妹はみな嫁に行き、本人の気持ちをよそに周りは紀子の嫁入りを急き立てる。しかし紀子は父が好きで、父と暮らし、その世話をずっとしていきたいと思ってお…

映画『東京物語』監督:小津安二郎、1953年

戦争が終わり、東京で働く子どもたちのもとへ尾道から年老いた両親の周吉(笠智衆)ととみ(東山千栄子)が訪れる。初めこそ再会を懐かしんだ子どもたちであったが、やがて両親に冷たいあしらいを見せるようになる。そんななか、その両親を温かくもてなした…

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014(10回記念 祝祭の日)三日目、東京国際フォーラムホールB5〈カフカ〉

今日は少し雨が混じる天気です。お昼はビックカメラ下の「小洞天」で名物シューマイなどをいただき、ホールに向かいました。 今日のホールは昨日のホールよりさらに小さい256席のホールです。専用のホールではなく、中央にステージを設え、その周りを取り囲…

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014(10回記念 祝祭の日)二日目、よみうり大手町ホール〈プルースト〉

風は少し吹いていたけれど穏やかな一日でした。 今日の会場はよみうり大手町ホール、今年の3月にできたばかりの新しいホールです。音響のためと思いますが、木をふんだんに使った503席のコンパクトなホールでした。 今日の演奏は、プログラムナンバー284、フ…

映画『男性・女性』監督:ジャン・リュック・ゴダール、1966年

1965年のパリ。兵役から帰還したポール(ジャン=ピエール・レオ)は、カフェで歌手を目指すマドレーヌ(シャンタル・ゴヤ)と知り合う。若い彼らや友人との交流、そして街の人々を描く作品。 ■感想(個人的評価:★★---) 愛と性や、労働、社会運動、ベト…

映画『勝手にしやがれ』監督:ジャン・リュック・ゴダール、1959年

ミシェル・ポワカール(ジャン=ポール・ベルモンド)は、マルセイユから盗んだ車で愛する女を追ってパリに向かう。彼はその道中、スピード違反で追われ、警官を射殺してお尋ね者となる。彼が求めるパトリシア(ジーン・セバーグ)はアメリカ人でニューヨー…