落語『7月中席』国立演芸場
金原亭駒三「たが屋」、江戸の夏の風物詩といったら花火だが、そんな花火見物の客で賑わう両国橋で殿様一行とすれ違う際にひと悶着。やむなく殿様一行に立ち向かう「たが屋」、江戸っ子らしい気っぷの良さがよく出ていた。
桂ひな太郎「酢豆腐」、寄り集まって酒をのもうとするが肴がない、思案している皆の前に登場するのはふだんから煙たがられている見栄っ張りの若旦那。カビのはえた豆腐を、食通とおだてられ一口。言葉や仕草が面白かった。
柳家小さん「寝床」、大家手習いの浄瑠璃を聴かせられるのが嫌で、聴かせられるその日に限ってみな何とかして姿をくらまそうとする。その努力のさまが涙ぐましくもまたこっけいだった。
陽に刺されるような暑さの半蔵門だった。