クローズアップ現代「秋葉原の一番長い日~ホコ天再開の波紋~」

秋葉原歩行者天国が今週復活した。しかし、歌や踊りのパフォーマンスは一切見られずビラ配りも禁止された。過激なパフォーマンスが横行すれば凶悪犯罪の温床になるのではないかという観点である。秩序があり、活気のある空間を作るにはどうすればよいのか。

秋葉原協定」という自主ルールが今回の秩序のもとにある。禁止事項として路上販売、ティッシュ配り、アンケート、パフォーマンスなど数多くの項目が列挙されている。

「うさぎのなみ平」さん、かつてパフォーマーとして秋葉原歩行者天国で歌を歌い、200人を集めた。歩行者天国が閉鎖されて以来、他の町へ行ったが、秋葉原のような盛り上がりはなかった。

協定を作るにあたっては、パフォーマンスの線引きを巡って議論となった。そして結局すべてのパフォーマンスを禁止することとなった。しかし、これが発効すると路上での呼び込みやチラシ・ティッシュ配りも禁止されることとなり自分たちの首をも絞めかねない。

午後1時、歩行者天国が始まった。そして、商店の関係者が見回りを行った。写真撮影されていたコスプレの若者が注意された。道路交通の秩序を乱すという理由である。とくにパフォーマンスをしていたわけではない。

秋葉原を海外からの旅行者に紹介したりしているNPOもチラシ配りを警察から注意された。人数が多すぎるというのである。一人でならよいが複数ではできない。

午後5時、歩行者天国は無事に終了した。ホコ天が終わったら規制が解除されにぎやかになった。

(ドキュメンタリー作家 森達也)何か違うな、という感覚を持っている人が多かったのではないか。そもそも歩行者天国の意味は、たんに車道を歩行者に開放するということだけではなく、そこをにぎわい創出の場にするということだろう。萎縮してしまっている現状である。もう少し時間が必要だろう。

(森)安全・安心を重要なキーワードにする一方で、大事なことが失われてしまっている。黒白で取り締まれないものがあるはずだが、何でも黒白をつけようとしてしまっている。