福祉ネットワーク キラキラ40「夫が“切れる”とき(2)暴力の悩みQ&A」
夫から妻へのDVには身体的暴力、性的強要、心理的攻撃がある。女性の三人に一人はこの被害にあっている。
【身体的暴力】48歳女性、テレビのリモコンをぶつけられた。自分は抵抗を一切しないが夫は怒り狂っている。
→(臨床心理士 信田さよ子)まず逃げることが必要。夫に対し、あなたの行っていることはDVであるということを伝えるべき。内閣府がDVの相談窓口を191箇所設置している。(0570-0-55210)ここに相談して欲しい。シェルターを紹介してもらえる。されるがままになっていると、子どもにも悪影響がある。
→(産業カウンセラー 吉岡俊介)たかが夫婦喧嘩ではないか、と思う男性もいるだろう。しかし、れっきとしたDVであるということを伝えることに効果がある。
【性的強要】夫にセックスを強要される。夜酔って帰ってきて性行為を強要する。
→(信田)明らかにDVである。喫茶店など人前で「あなたの行っていることはDVです」と伝えることも有効。
パープルダイヤルという性暴力の相談窓口も設けられる予定。
【心理的攻撃】夫は、「おまえは馬鹿か」「うざい」「誰のおかげで飯を食えるんだ」などの言葉の暴力をしたり、まったく無視したりする。
→(信田)受け止める側からするとつらいことである。そこを突かれたら人格を否定された気持ちになるだろう。積み重なると、自分の価値が信じられなくなる。
→(吉岡)彼の気持ちに焦点をあてて「あなたの気持ちはこうなのね」、そして自分の気持ちを伝えることが有効。
高橋恭子(仮名)さん、長年夫が会話に応じない。19年前に二人は結婚した。しかし子育てや近所づきあいの愚痴を言うたびに夫は何も言わないようになっていった。カウンセリングを受けたところ、相手の長所を書きなさいといわれた。しかし、一晩考えて一つしか思い浮かばなかった。出会ってからのことを思い出しながら、36日かかってすべての項目が埋まった。そうしたら夫への感謝の気持ちが現れてきた。ありがとうという言葉を使うようになると、夫も言葉を返してもらえるようになった。
→(吉岡)40代になると夫婦はそれぞれ別の生活を歩むようになる。しかし、こうしたことをきっかけに相手を思いやれるようになる。