クローズアップ現代「飛び出せ!“異能”~日本の閉塞(そく)感を打ち破れ~」

マーク・ザッカーバックは、フェイスブックを創設、5億円の収入を得ている。ザッカーバックの行動は非常に特異である。日本にも企業にはなじめない奇抜な行動の持ち主がいる。そうした人々の力を活かすことが求められている。

スティーブ・ジョブスは「特異であれ、愚かであれ」といっている。

インフィニティ・ベンチャー・サミットでは異能の若者の発想が披露される。

絵を描けばそれに対応する商品を探すシステム、内山幸樹さんは、50万にも及ぶブログへの書き込み内容と株価の関連を確認し、予測できるシステムを作った。内山さんはすべてのことが数式に見える。

内山さんは東京大学大学院に在学中に検索システムを作り、大手企業から傘下に入らないかと誘われたが断った。そうした中でグーグルが創設され、あっという間に席巻した。大手の下請けをしながら食いつなぎ、今回のシステムを作った。

しかし昨年10月、アメリカで類似のシステムが開発されて80%以上の的中率となり、後塵を拝するようになってしまう。

サミットでの内山さんの対抗馬は、大学院生二人である。何の変哲もない白いソケットだが、消費電力を計測するチップと無線機能がある。さまざまな家電製品の電力消費量が分かったり、オンオフすることができる。また他のユーザーと結び、ゲーム感覚で節約を楽しめる。二人は月三万円の家賃で暮らし、節約をするための仕組みとして考えた。会社勤めはできなかったがものづくりは好きでしょうがなかった。ものづくりを通して社会に対して提案や問題解決の方法を提示していきたい。

ベンチャーキャピタリスト榊原さんの提供してくれる空間で、彼らは「ゆるく」結びつく。いろいろな提案も榊原さんからもらうことができ、また志を同じくする者がいることが力になる。

優勝したのは株価予測の仕組みを開発した内山さんだった。そして億単位の投資話が持ちかけられた。二位は大学院生二人、実現性に問題があるという評価だった。しかし彼らに対し、アメリカ、南米、ヨーロッパ、そして国内からも話が持ちかけられた。

ベンチャー企業経営者・技術者 渡辺誠一郎)彼らのアイデアはとても面白いし、こうしたコンテストの場があること自体が面白い。発想力ではアメリカにひけをとらないのではないか。しかし、これを育てる生態系に差がある。異能の者を育てるメンターがどれだけいるかということである。発想した本人の努力だけでは実を結びにくい。大企業の中にも革新的なアイデアを持つ者はいる。しかし、これを育てる意思決定をできる者が必要である。現代は、大きな会社にいるリスクと一人で何かを始めるリスクは近づきつつある。つまり乗り出しやすい状態であるといえる。