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映画『めぐり逢わせのお弁当』監督:リテーシュ・バトラ、2013年

ムンバイに暮らし、35年にわたって損害保険会社の従業員として働いてきたサージャン(イルファン・カーン)。彼は数年前に妻を亡くし、一人暮らしをしている。毎日はち切れそうな満員電車で会社に通い、淡々と同じ仕事に取り組み、35年間まったく仕事上でミスをしたことがなく、上司からも評価されている。

そんな彼は、毎日昼食を食堂から「お弁当」として届けさせていたが、あるとき、その彼のもとに全く違う女性、イラ(ニムラト・カウル)が夫のために作ったお弁当が手違いで配達される。彼は、その女性が叔母の力も借りながら一生懸命作ったお弁当を食べ、一方、お弁当の容器が返ってきたイラは、いつもは残してくるお弁当がきれいに平らげられていることに驚き、喜ぶ。

お弁当の配達誤りはそれからも続き、サージャンとイラはお互いにお弁当が配達誤りで届いていることに気づき、そこからお弁当箱に忍ばせた手紙のやりとりが始まり、二人の心は寄り添うようになる。

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■感想(個人的評価:★★★★-)

前に観た「スラムドッグ$ミリオネア」と同じく、ムンバイの街を舞台とした映画で、雑然として巨大な都市と人々のエネルギーや喜怒哀楽が伝わってくる作品でした。ムンバイという街独特のお弁当集配システムというところに光を当てて、その中から浮かび上がってくる経済成長下の心の空虚感やそれを埋める恋心をよく描き出していたと思います。ストーリーとしては分かりやすすぎるくらいなのですが、ムンバイを舞台とするとやはり「深み」が出るし面白くなるんですね。経済成長目覚ましい自分の母国を捨て、ブータンを「ユートピア」として目指そうというところがとても興味深かったです。