映画『アナと雪の女王』監督:クリス・バック/ジェニファー・リー、2013年

海に面し、山に囲まれた美しい王国で将来の王女として生まれたエルサとアナの姉妹だが、エルサは生まれながらに触れたものを凍らせてしまう不思議な力を持っていた。時は過ぎ、二人の両親は事故で亡くなり、長女エルサは戴冠式の日を迎える。これまでできるだけ外との接触を断ち、自分の力を封印してきたエルサだったが、アナとのいさかいをきっかけにその力が抑えきれず放たれてしまう。その光景を見た人々からの非難やおそれを受け、エルサは王国全体を凍らせてしまい、山奥に氷に閉ざされた自分の城を一瞬で作りあげ、そこに閉じこもってしまう。アナは、王国を氷の世界から元の夏の季節に戻すよう説得するため山奥にいる姉のもとへ向かう。

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■感想(個人的評価:★★★--)

最近のアニメーション技術の水準の高さを結晶化したような作品です。これまでただ「白い」、「透明な」形で表してきた氷や雪を、科学的な知見を踏まえた細部までリアリティのあるオブジェとして新しく作り出していて、その美しさは見事の一語に尽きます。例えば広場を埋め尽くす鏡のような氷、姉を殺そうとする剣を受け止めようとしたアナが一瞬で青い氷に変わる場面や、霜や結晶の表現などに存分に表現されています。無理のないストーリー構成と個性あふれる登場人物、そしてリアリティある想像の世界がとてもよくマッチした作品でした。