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映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』監督:マーティン・スコセッシ、2013年

証券会社で経験を積みながら自ら会社を興し、卓越したセールス能力を武器に莫大な資産を形成する男の物語で、実在の人物をモデルにした映画です。

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■感想(個人的評価:★----)

 300分という長い映画ですが、ほとんど半分近くは社員を集めての乱痴気パーティ、ドラッグ・セックス漬けの生活の描写に埋め尽くされています。野心的な若者→証券業界で財を成す→豪奢な生活→破たん→再起という単純なドラマを、ディテールを精緻に描写することでより実態に迫るという手法はあるでしょうが、これは全く感心しない出来栄えです。

 富をテーマにするのであれば、富を得て初めて生じる悩みとか空々しさのようなものを描くという切り取り方はあると思います。ですが、ここではバカ騒ぎを続けた揚句の当然の破たんしか描かれておらず、それもドラッグに溺れながら、さめれば正気に戻ってまたバカ騒ぎの続きを始めるという、人間としてはあまりに非現実的な内容でした。

 そうは言いながら、最後にその卓越したセールス能力を研修講師として発揮する場面だけは少しなるほどと思いました。巧みな話術に最初から乗せられてしまっている人々の顔が、主人公であるジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)との対比で、やはり生き生きとした野心的な人間の持つバイタリティーを際立たせて見せ、異なる人種のように見えるところが面白く感じられました。(とはいえ、やっぱりお奨めはまったくできない映画です。)