『ザ・ビューティフル』三菱一号館美術館

丸の内にあるレンガ造りの三菱一号館美術館では、現在『ザ・ビューティフル』という英国の唯美主義をテーマとした美術展が行われています。

唯美主義は、19世紀末の英国で、とりわけ日々の生活で利用する家具調度などに、古代ギリシャや東洋的な美を反映させるなど、暮らしの中に美を取り入れようとする運動です。当時のイギリスでは、産業製品としての画一的な家具調度が多く利用されており、そうした無粋さを一掃したいという考え方の表れのようです。

唯美主義は、ウィリアム・モリスなどの作品に色濃く反映されています。また、家具調度のみならず絵画や挿絵にもその考え方が多く取り入れられたようです。

f:id:alpha_c:20140208153232j:image

暮らしの中に美を持ち込むということ自体は、おそらく以前からあったのでしょうけれど、中間層が勃興し、一般市民の暮らしにそうした考え方を根付かせるきっかけになったのかも知れません。

私自身ははシンプルで壁に溶け込むような家具が理想ですけれど、「美しい部屋」という考え方という点では通い合っているのではないでしょうか。