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映画『最高の人生の見つけ方』監督:ロブ・ライナー、2007年

病室で巡り会わせた実業家のエドワード・コール(ジャック・ニコルソン)と自動車修理工のカーター・チェンバーズ(モーガン・フリーマン)はそれぞれ自身の余命がいくばくもないことを知る。二人は最初こそ打ち解けなかったが、同じ運命にある者として親近感を持ち、相談しながら死ぬまでにしておきたいことをリストアップする。この世への思い残しがないよう、リストに従って最高の食事や景色などをお金を惜しげもなく使って楽しむ。しかし、医師の宣告通り来るべき日はやってくる。

この映画では、われわれにとって当たり前のことでありながら、一度しかない「死」に直面したときの人間を描いている。死を深く考えてきた人であっても、まずもって驚き、否定したくなるという心理が働く。贅沢三昧を尽くしても死への諦めや寂しさを埋め合わせできるものではない。しかし、心の通った人とのひとときは、充足や命のつながりを実感させてくれる。

f:id:alpha_c:20120930002542j:image:leftこの映画を見ながら、もし、自分に死が宣告されたとして何をするんだろうか、と考えた。医師はやり残したことをやりなさいというだろうが、それを頭をひねって考えたとしても、解は見つからないだろう。見つかるはずはない。

人の生き死に関わる哲学的な思考は永続性がその根底にあるが、それとは裏腹に、人は有限の命をもった感情の生き物だ。今まで、考える、仕事に取り組む、文化を楽しむなど、いろんな形で自分の、他者の人生を質の高いものにするようが花開くよう取り組んできただろう。

それでよいのだし終わりが来ただけの話なのだ。最後は壮大な何かを仕上げるとかではなく、そのときの自分に残された仕事をすることと、心の通った人へメッセージを送ることが一番大事なことなのではないか。