バレエ『海賊』ABT、パフォーミング・アーツ・センター(カリフォルニア州オレンジカウンティ)

f:id:alpha_c:20111203221511j:image:w120:left『海賊』は、日本ではバレエの演目としてそれほど多く上演されてはいないと思う。クラシカルな作品ではあるが、今回この上演を見てその理由が分かるような気がした。

印象として、舞踊部分の見どころは多くあるが、音楽部分がどうも薄いように感じられる。バレエ音楽専門の作曲家による作品であっても、例えばジゼルであれば、序曲からすでに聴衆の気分が高まる曲調だけれど、この海賊は、舞踊に調子をつける程度の曲調でしかない。複数の作曲家による合作ということで期待していたのだけれど。

ただ、第二幕の「ハーレムの花園」では、全体の白眉となる美しい曲調が奏でられる。こうした場面は、『ドン・キホーテ』にもあるが、コールドと主役がゆったりとしたリズムで美しく舞っていた。

【ボリショイバレエによる『海賊』】

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