スーパーバレエレッスン ロイヤル・バレエの精華 吉田都(5)

・ 「眠れる森の美女」は、ピュアなクラシックで、きちんと古典を見せなければならない。「演技」よりも「踊り」で見せる。ダンサーにとっては大変な作品。

・ 今回テーマとなる三幕のバリエーションは、一幕の初々しさとは違って成長しており、気高くエレガントでなければならない。きちっとしたエポールマン(両肩のポジション)で踊らなくてはならない。凛とした美しさを視線で出さなければいけない。

・ 上半身はソフトに、下半身はシャープに。一つ一つの動きをきちんと決めて、そして次のステップへつなげる。目線がピタッと合うことで止まった印象を持たせる。

・ アンソニー・ダウエルは、このバリエーションを踊るときには、オーロラ姫は結婚式で幸せ一杯で、手にいろいろのダイヤモンドや宝石を付けてそれを楽しんでいる感覚で、と言っていた。

・ このバリエーションに至るまでにいろいろと展開されるディヴェルティスマン(吉田都さんは英国風に「ディベルティスメント」と言っていた)に負けてしまうようではいけない。きちんと締めなければならない。

・ 前に進みながらもエカルテ(振り出した脚)は上に。

・ アンソニーは特別なスターだった。立ち振る舞いも王子だったし、踊りも完璧、パートナリングも完璧で特別だった。アンソニーはロイヤルの芸術監督として「眠れる森の美女」を振付けた。彼の構想した舞台装置は独自であったが、振り付けそのものは伝統的な振り付けを重んじた。

・「眠れる森の美女」は、ロイヤルがアメリカで成功した特別な演目である。

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