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オペラ『マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ』

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この作品は、マリア・カラスについて唯一に近い形で残っているオペラの歌唱シーンをリマスターしたフィルムで上映するものです。

時は1958年、パリ・オペラ座マリア・カラスが34歳でデビューした公演(大夜会)を収めたフィルムです。

フランス大統領のルネ・コティをはじめ、ブリジット・バルドーチャップリンなど多くの有名人が参加して行われ、チケットも一人2万フランとのことですから、当時の換算レートだと150万円という信じられないような金額となります。列席する観客たちは男性はタキシード、女性はドレスでそれは華やかな場を作り出していました。

まずはヴェルディ『運命の力』序曲が演奏され、つづいて幕が開くと、パリ・オペラ座合唱団を従えてカラスが登場します。そして演奏されたのはベッリーニ『ノルマ』の「清き女神」でした。この曲を歌わせたらカラスの右に出る者はいません。また、歌いながら見せる魅惑的な表情もカラスならではのものです。大いに聴衆の喝采を浴びるカラス、続いて、イル・トロヴァトーレセビリアの理髪師からいくつかの歌曲を歌いました。

そして第二部は、プッチーニ『トスカ』第二幕です。これはオペラのセットを使った本格的な舞台で、カラスは前にもまして女優ぶりを発揮していました。そして最後に「歌に生き、恋に生き」を歌います。これも残された音源を通じて知るばかりだったカラスの声をたっぷりと映像付きで伝えてくれる見事なものでした。

たしかに映像自体はモノクロである以上にフォーカスが甘く、不明瞭な部分も多くありましたが、こうした形で再現されるということ自体が本当に貴重だったのではないでしょうか。会場のシネマライズには若い人も含めて多くの観客が訪れていました。