ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014(10回記念 祝祭の日)二日目、よみうり大手町ホール〈プルースト〉
風は少し吹いていたけれど穏やかな一日でした。
今日の会場はよみうり大手町ホール、今年の3月にできたばかりの新しいホールです。音響のためと思いますが、木をふんだんに使った503席のコンパクトなホールでした。
今日の演奏は、プログラムナンバー284、フィリップ・カサールによるシューベルトのピアノソナタ第21番変ロ長調D960(遺作)でした。シューベルト没年に作曲され、自分自身ももう20年にもわたって聴き続けてきた曲ですが、実際に演奏会の場で聴くのは初めてだと思います。
この曲についてはマウリツィオ・ポリーニによる録音があり、ライナーノーツには「ああ、こんな歌を歌ってはいけない、これは永遠の告別の歌ではないか」と石井宏さんにより解説が加えられていました。
それほど死を予感させる曲でありつつ、内容は変化に富んでいて、あるときにはふっと現実に戻る部分もあり、それこそがシューベルトらしさではないかと思います。
カサールさんの演奏もこの曲のイメージそのもので、自分の頭の中で流れる曲とシンクロさせながらじっくりと聴かせてもらいました。