映画『勝手にしやがれ』監督:ジャン・リュック・ゴダール、1959年

ミシェル・ポワカール(ジャン=ポール・ベルモンド)は、マルセイユから盗んだ車で愛する女を追ってパリに向かう。彼はその道中、スピード違反で追われ、警官を射殺してお尋ね者となる。彼が求めるパトリシア(ジーン・セバーグ)はアメリカ人でニューヨーク・ヘラルド・トリビューンに勤めながらソルボンヌに通っている。ミシェルは戻ったパリでパトリシアと再会を果たすが、逃亡するための金の工面に追われるうちに警察の包囲網は確実に狭まっていった。

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■感想(個人的評価:★★★★-)

ストーリーはもちろん上のようにあるのですが、それよりも、表情や会話の描写が主となる作品でした。殺人や盗みすらも日常のことのような淡々とした描写をされており、突き詰めて何かを考えるでもなく、表層のやり取りが中心でありながら、その表層のとらえ方がいかにもフランスらしいのです。繰り返して見ることにまったく力がいらず、逆に味わいが出てくる、それは全くのところフランスらしさとしか言いようのないものなのです。