オペラ『ファルスタッフ』メトロポリタン歌劇場、2013年

久しぶりに歌舞伎座ライブビューイングが行われました。2009年以来とのことなので4年ぶりということですね。

やはり年末を少しでも特別なものにしたい、という気分の表れなのか、歌舞伎座の1階席を開放して行われたこの催し、チケットの売れゆきは上々だったようです。お客さんの年齢層は少し高めになりますね。

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演目はヴェルディの遺作になる『ファルスタッフ』、これはシェイクスピアの喜劇『ウィンザーの陽気な女房たち』をもとに作ったオペラです。主役のファルスタッフを演じたのは、これ以上適任のオペラ歌手はないのではないかと思われるアンブロージョ・マエストリでした。恰幅がまさにファルスタッフです!

上演時間は3時間20分だったのですが、幕間のインタビューなどにかなりの時間が割かれていたので、オペラとしては短い方だったのではないかと思います。

幕間のインタビューでは、久しぶりに登板するジェームズ・レヴァインと演出家のR.カーセンが答えていましたが、「筋としては単純だがディテールが豊かである」と述べていました。これはヴェルディの最高傑作ではないか、との発言もありましたけれど、自分にはそれほどの作品とは思われませんでした。喜劇はよいと思いますが、印象に残るような心揺さぶる歌唱には巡り合えなかったと思います。

ただ、この作品は、ありのままの人間の営みを礼賛するもので、「最後に笑ったものが勝ち」という歌のフレーズにも直接表れています。それはそれで考えさせられました。

さて、幕間にはちょっとしたスパークリングワインが販売されたり、少し外国の上演を意識した「演出」もありました。