映画『永遠の0』原作:百田尚樹、監督:山崎貴、2013年

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封切りなったばかりの映画です。

映像技術が見事で、当時の空戦の模様や空母の動きなどがあたかも現場で見ているかのように再現されています。

これを観ると、戦争そのものは否定されなければならないとしても、われわれ日本人の祖先がこのために作り出したさまざまな構築物の威容を感じ取ることができます。

この原作小説は300万部を超えるベストセラーとなりました。

「特攻」ということが行われた、ということについては、多くの日本人が知っているにもかかわらず、改めてこのテーマを「国のために死ぬのではなく、家族のために生きたい」と考える宮部久藏の視点から掘り起こしたことが、この小説のオリジナリティとなっています。

単に歴史上の事実としてのみならず、今改めて戦争という課題が目前に突き付けられたときにどう考えるのか、あるいは、日常生活を送るなかでも大勢の意見と異なる意見を持った場合にどう振る舞えばよいのか、そんなテーマがこの小説にはありました。

俳優陣もそろって好演でした。

とくに宮部と同じ時期を過ごした老人たちの述懐が、人生の終わり近くになった者としての重みを持っていました。亡くなった夏八木勲も重要な役どころを演じています。

是非、ここは観てほしいですね。