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『第82回日本音楽コンクール(ピアノ部門)』東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル

この歴史あるコンクール、台風による影響も危ぶまれたけれど無事開催となりました。

三次の予選を勝ち進んだ四名が、今日の本選、それぞれが選択したピアノ協奏曲によりその力量を競います。

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東京オペラシティコンサートホールは初めてです。

三角形の天井が特徴です。

会場はほぼ満席だったと思います。やはり女性が多いですね。

演奏は高関健さん指揮の東京交響楽団でした。

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先だってピティナ・ピアノコンクールを観に行ったところですが、今回のコンテスタントの演奏水準も高かったです。コンクールということで、演奏者のみならず聴衆も緊張を強いられるところもありますが、雄大なピアノ協奏曲を聴かせてもらいました。

総評としては、やはり協奏曲という形式での演奏はそれほど経験はないのでしょう、全体としてオーケストラとの共演がうまく行っていない場面が見受けられました。逆に、これを比較的きちんとした形で実現できていた人が審査結果としても高かったと思います。うまく実現できていない人もきれいな演奏ではあるので(今回の演奏はそれぞれ破たんは少なかったです。)、ソナタであればもっと聴かせられただろうにとも思いました。

■個々の演奏の感想

○1番の竹田理琴乃(りこの)さん(19)=フレデリック・ショパン音楽大2年=(ショパン『ピアノ協奏曲第二番』)

最初の演奏者はやはり大変です。しかしあまりそうした緊張感を感じさせず、このあまりなじみのない?曲を弾きあげました。演奏がリリカルで、「ショパン的」だったと思います。ソナタならなお、と思わせました。

○2番の石井楓子(ふうこ)さん(22)=桐朋学園大4年=(ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第三番』)

この演奏を聴いていて、先ほども書きましたが、「ああ、オーケストラと共演できている」と感じました。繊細な部分で結果として打鍵に魂が入っていない点もあったと思いましたが、ダイナミックな構成を作りあげていく力量では一番だったと思います。

○3番の神谷悠生(19)さん=桐朋学園大カレッジディプロマコース1年=(ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第二番』)

さあ、名曲の演奏、やはり頭の中にはどうしてもリヒテルの歴史的名演が浮かんでしまいます。そして、この演奏では第一楽章でオーケストラにピアノが埋もれてしまいました。これは難しいかな、と思いましたが、第二楽章の途中あたりから、演奏者のいい意味でナイーブな部分が伝わり始めました。しかし全体として演奏が平板に感じられます。そう、この曲はピアニシモの重みこそが心臓部、これがないと物足りなさを感じます。

○4番の斉藤一也(23)さん=パリ国立高等音楽院3年=(プロコフィエフ『ピアノ協奏曲第三番』)

ロマン派の巨人が続いた後でのプロコフィエフ、新鮮さを感じました。演奏が始まってみると、これは大人の演奏です。他の演奏者とは異なり、最初から「協奏曲」が確立しています。聴いた時に、あ、一位はこの人だなという印象を持ちました。ただ、演奏が進むにつれてそれ以上のプラスアルファがなくやや(本当に小さいながら)下降気味に感じられました。

自分の聴いた結果では、あえて順位を付けると、1位:斉藤さん、2位:石井さん、3位:武田さん、4位:神谷さんかなと思われましたが、審査結果は、1位と2位が入れ替わる形となりました。

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【1位:石井楓子さん】

ともかくみなさん若いので、これからさらに磨き上げた演奏を聴かせてもらえればと思いました。