落語『第39回読売GINZA落語会』ル テアトル銀座

この落語会もそろそろ最終回を迎えるとのことで、今夜は特別版ということで開催された。

f:id:alpha_c:20130224130256j:image:left「飛ぶ鳥を落とす勢いの」春風亭一之輔さんの噺は『粗忽の釘』。

枕で親戚の教師の義妹の顔を立てて小学校に行って噺をしたエピソードを語っていたが、これが面白かった。

本題の『粗忽の釘』も随所に一之輔さんらしさがにじみ出ていたのではないか。

f:id:alpha_c:20130114145524j:image:left続いて登場した柳亭市馬さんの噺は『味噌蔵』。

ケチな大旦那の留守を見計らって番頭さんをはじめみんなでどんちゃん騒ぎをする噺だが、落語にはケチはつきもの。このけち臭さが滑稽で楽しく聴いた。

もちろんあの得意な唄も「やはり」披露していた。


f:id:alpha_c:20130224130255j:image:left幕が入り、林家彦いちさんの『神々の唄』、自分のついた嘘に困り、かかあをスーザン・ボイルに仕立て上げる、それが大当たりする話だ。

枕も腹を抱えて笑うような話で、たぶん今日一番受けたのではないか。





f:id:alpha_c:20130224130253j:image:leftトリは、柳家喬太郎さんの『宮戸川』、今日の落語会はこれに尽きた。見事な語り口で、水を打ったようにシーンとなった劇場に切々と喬太郎さんの語りが伝わってくる。情景描写や声の使い分け、こうした匠の技がやはり落語のいいところだと再認識させられた。


それぞれの噺家は、お互いに噺の断片をつなげながら語っていたのも面白かった。