映画『オペラ座の怪人』原作:ガストン・ルルー、監督:ジョエル・シュマッカー、2004年

f:id:alpha_c:20130102203155j:image:leftこの『オペラ座の怪人』は、ミュージカルをベースにして映画に翻案したもので、さきに観た『レ・ミゼラブル』(2012年)と創作のスタンスがよく似ている。きちんとしたストーリーを持ったミュージカルは、映画にしてもまったく違和感がなく、逆にさまざまな仕掛けを用いて効果を高めることができる。

特筆すべきなのは映像の美しさだ。ヒロインのクリスティーヌ(エミー・ロッサム)の清楚で愛らしいたたずまい、そしてオペラ座の屋上や墓場におけるシーン、マスカレードの合唱など情景の一つひとつも絵になるものだった。また、オペラ劇場がコンパクトで美しい建築であるのも印象に残った。

歌は、吹き替えではなく俳優が歌うもので、プロの歌唱とはやはり差がある。また、若干冗長に感じられるところもあった。ただ、それをもって魅力があせることはなく、まとまりのあるよい作品だったと思う。