バレエ『くるみ割り人形』マリインスキー・バレエ、1993年
さきに見た『くるみ割り人形』を英国ロイヤルバレエ(ピーター・ライト版)とはことなり、マリインスキー・バレエでは、ロシアの伝統的な演出であるワイノーネン版を採用している。
もともとくるみ割り人形の初演は1892年12月18日で、このワイノーネン版は1934年に制作されているようだ。ピーター・ライト版は1984年なので、こちらの方が歴史が古い。
ここでは、クララはマーシャ(ラリッサ・レジュニナ)として全幕を通じて出演し、もちろん最後の見せ場グラン・パ・ド・ドゥも踊るのが特徴となっている。
それにしてもロンドンの演出に比べ、とても明るさを基調とした舞台という印象を受けた。ソフトで軽やかなイメージのくるみ割り人形だった。
グランパドドゥは、王子に加え4人の男性がサポートし、あたかも『眠れる森の美女』のローズ・アダージョのようでもあった。
【2012年12月18日に表示されたgoogleのロゴ(『くるみ割り人形』初演120周年)】
こちらも良いのだけれど、個人的には、やはり「子どもの夢」ということをベースにして、お菓子の国を訪れて金平糖の精と王子から歓待を受けるストーリーの方がしっくりくるような気がした。