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映画『ブラック・スワン』監督:ダーレン・アロノフスキー、2010年

ニューヨークのバレエ団に所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、『白鳥の湖』で小さな四羽の白鳥(パ・ド・カトル)などを務める中堅のダンサーだったが、いつか主役を踊りたいと望んでいる。そうした中で、バレエ団では中心的な存在のベテランダンサーが芸術監督トマ(ヴァンサン・カッセル)の意向により引退することとなった。バレエ団では次の公演で新演出の『白鳥の湖』の上演を予定しており、この主役のポストをめぐってオーディションが行われることとなった。

f:id:alpha_c:20121020161540j:image:leftニナはこのチャンスを是非ともものにしたいと打ち込むが、芸術監督からは、白鳥の清らかさや可憐さはあるが、第三幕の黒鳥が持たなければならない妖艶さに欠けるため主役には抜擢できないとの評価を受ける。一方、他のバレエ団から移籍してきたリリー(ミラ・キュニス)は、早くから頭角を見せ、黒鳥を踊っても芸術監督からの評価が高い。

ニナは主役の座を半ば諦めつつあったが、配役発表の日、主役のオデット/オディールに抜擢されたのは彼女だった。彼女は喜んでこの役に打ち込もうとするが、さまざまな幻影が彼女を蝕みはじめる。

この映画では、主役を射止めた者の心の葛藤がテーマとなっている。最後の鬼気迫るオディールの舞踊、そしてオデットとして舞台上で息絶えるまでの経過は、こうした特殊な状況下で人は人によって苦しめられるのだと思わせられる。

ナタリー・ポートマンの舞踊はほとんどプロのダンサーと思われる水準で、そのことにも驚かされた。