映画『麒麟の翼』原作:東野圭吾、監督:土井裕泰、2012年

f:id:alpha_c:20120826145748j:image:left日本橋の欄干には翼を持つ伝説の麒麟像がある。ある夜、この像のたもとに男性がナイフで刺され倒れているのが見つかる。倒れていたのは、メーカーの部長青柳武明(中井喜一)であった。彼は血に染まった白い折鶴を麒麟像に捧げながら亡くなった。

一方、この犯行があった同じ時間に不審な若い男が警戒中の警官に追われ、トラックに轢かれて死亡する。この男は、青柳部長の企業にかつて派遣社員として働き、そして解雇されたという前歴があった。このため、部長殺しの犯人ではないかとして大がかりな捜査が始まる。しかし、所轄の刑事加賀恭一郎(阿部寛)は、事件にかかわる人々の行動をたどっていくうちに真相は別にあると考えるようになり、独自に捜査を始める。

f:id:alpha_c:20120826145747j:image:left最初は普通の刑事物ではないかと思いながら見ていたが、加賀刑事の父親との関係や、学校における水泳大会をきっかけとした下級生いじめの問題などさまざまな人間ドラマが現れる。ストーリーの一つひとつが重厚で無理がなくよかった。