『オルフェウス室内管弦楽団 with 五嶋龍』サントリーホール
この日は、ニューヨークのオルフェウス室内管弦楽団を迎えたコンサートで、メインは五嶋龍(Vn)をソリストにベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61、そしてロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」序曲、メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調「イタリア」op.90が演奏された。
東北の被災地(北上、仙台)を回っての4日間にわたるツアーコンサートで、東京での公演はこの日のみ、翌々日の大阪公演で終了することとなっている。冒頭の簡単なあいさつは日本語で行われ、東日本大震災に触れてお見舞いの言葉があった。
オルフェウス室内管弦楽団は、その特色として指揮者をおかず、曲ごとにリーダーをおいて演奏を形成している。全身を使ったパワフルな演奏で、この音響効果のよいホールではひときわ力強さが伝わってきた。
また、ソリストに五嶋龍を迎えたヴァイオリン協奏曲では、五嶋龍の濡れ羽色でも言えるような艶やかなヴァイオリンの音色が見事だった。
アンコールでは、イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番 ホ長調 op.27-6から(ソリスト・アンコール) 、メンデルスゾーン:劇音楽『真夏の夜の夢』op.61からスケルツォ、シューベルト:付随音楽『ロザムンデ』からバレエ音楽第1番が演奏された。とくにスケルツォは大好きな曲で、時期的にもふさわしい選曲だった。
周囲のレストランや幕間のホワイエは、平日の夜にもかかわらず着飾った多くの客で埋め尽くされていた。