ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012(サクレ・リュス)前夜祭、東京国際フォーラム
今日は前夜祭ということで、まずは『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』といったおなじみのバレエ音楽を、東京都交響楽団による演奏から始まった。いつもはオーケストラピットからの演奏を聴いているわけだが、今日は舞台上からの演奏ということで響きもひときわ良かったように思われた。さすがに「花のワルツ」のような楽曲は、さらにバレエがあればなお、と思ってしまう。
続いては、ベオグラード出身の姉妹による連弾でストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』と『春の祭典』である。姉妹は連弾ピアノのコンクールの優勝歴もあるとのことだったが、この曲についてはどうしてもポリーニの見事な作品が頭に残っているため今一つという印象が拭えなかった。
これに続き、パリ室内管弦楽団によるチャイコフスキーの『弦楽セレナード』から「エレジー」の演奏が行われた。一風変わった指揮ぶりであったが演奏は見事で今日の一番だったと思う。
最後は、ピアニストとして小曽根真さんを迎え、同じパリ室内管弦楽団によりショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第一番最終楽章が演奏された。トランペットが入り、独特な楽曲だったが、流れるようなスピーディさがジャズピアニストの小曽根さんの演奏スタイルにあっていたのではないか。
■当日の構成
バレエ組曲「白鳥の湖」 op. 20a より 情景、四羽の白鳥の踊り、チャルダッシュ
バレエ組曲「くるみ割り人形」より 行進曲、トレパック、葦笛の踊り、花のワルツ
◎リディヤ・ビジャーク(ピアノ)、サンヤ・ビジャーク(ピアノ)
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ より 第1場 謝肉祭の市場
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ より 第2場 ペトルーシュカの部屋
ストラヴィンスキー:春の祭典 より 第2部 生贄の儀式(4手ピアノ版)
◎パリ室内管弦楽団/ジョセフ・スヴェンセン(指揮)
チャイコフスキー:エレジー(弦楽セレナードハ長調 op.48より第3楽章)
◎小曽根真(ピアノ)
◎ジャン=ミシェル・リクブール(トランペット)
◎パリ室内管弦楽団/ジョセフ・スヴェンセン(指揮)
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 op. 35 より 最終楽章
■ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー、1840年5月7日 - 1893年11月6日
■イーゴリ・フョードロヴィチ・ストラヴィンスキー、1882年6月17日 - 1971年4月6日
■ドミートリイ・ショスタコーヴィチ、 1906年9月25日 - 1975年8月9日