バレエ『リーズの結婚』牧阿佐美バレエ団(ゆうぽうと)

アシュトン振り付けのコミカルなバレエで、フランスの農村を舞台に、リーズとコーラスという若い二人の恋愛劇を描いた作品である。

f:id:alpha_c:20111029221536j:image:medium:left冒頭からニワトリのダンスがあったり、滑稽な母親とのやり取りなど楽しませる要素が盛り込まれている。またリボンなどの小道具を随所に使うところもアシュトン作品らしい。同じ振付家の手になる『シンデレラ』と共通するところが多く見受けられた。


f:id:alpha_c:20111029221535j:image:w360:left以前、吉田都の『スーパーバレエレッスン』でも取り上げられたバリエーションが二つあり、これは目を惹いたけれど、全体としてはどうだろう。振付家の意図とは別に、やはりクラシックバレエに適した素材、そうでない素材、といったものはあるし、この作品はどちらかというと後者なのかもしれないと思われた。というのも、バレエは伸びやかではあるが一定の型を持った姿態による表現芸術であり、その型は気品や優美さというものを表現することを重視しているためである。

ただ、このスタイルがまったく的外れなのかというとそういうわけでもない。これはこれでれっきとした作品として完成している。あとは好きか嫌いか、というところだろう。

追:会場のゆうぽうとホールは随分老朽化が目立っており、ホワイエなども貧相な感じで残念だった。