追跡!A to Z「増殖するヤミ金~飲み込まれる中小企業~」

最近、ヤミ金業者が資金繰りに苦しむ中小企業を食い物にしている。

返済ができなくなった中小企業経営者がヤミ金の手先になっている事例もあった。

中小企業が多く集まる大阪でヤミ金被害が続出している。ヤミ金に手を出して返済できなくなったという相談が大阪府の担当課に多く寄せられている。

なぜヤミ金に頼らざるを得ないのか。ある不動産業者は250万円借りて10日後に300万円返済した。本当はマンションへの入居者の敷金で対応できる予定だったが、入居が遅れ、内装業者への支払いが目前だったためである。貸金業者は、貸金業法の法改正により貸せなくなったという。彼らは上限金利が下がったのが原因であるという。それは、利息の引き下げにより5件中1件の焦げ付きで利益が出なくなるためである。このため貸金業者の審査も厳しくなっている。

公的融資については、時間がかかること、書類が山のように必要であることから難しい。

ヤミ金から借りたことで破綻した業者もいる。30年近くデザインの会社を運営している業者、事業拡大のため最新鋭のプリンターを購入したことがあだとなった。気がつくとヤミ金からの借金は1,000万円を超えていた。

借用証書の書き方にも独特の方法がある。金利の欄は書き込まない。またパスポートや保険証をおさえて相手が逃げられないようにする。

同業者のつながりを活かして資金繰りを行い、ヤミ金に頼らないようにする取り組みもある。また貸しの仕組みにより資金を融通しあう。