仕事学のすすめ 亀田信介 病院を変える突破力 第3回

亀田さんは、患者に選ばれる病院になるために人材の育成に力を入れている。注射を研修したり、コミュニケーションスキルの向上に力を注いでいる。

亀田総合病院では、手術や採血などを学ぶことのできる機器を備えている。シミュレーションを行うことではじめて実地の医療行為ができる。

研修施設はいつでも使えるようにしている。管理責任よりもなかなか時間の取れない若い医師が夜中などすき間の時間に研修してもらうことができるようにしている。

亀田さんはこのような田舎の病院に医師や看護師が集まってきているのは教育に力を入れているからだと考えている。またスタッフの中にも目指すべきロールモデルがいることが重要と考えている。

患者などの「外部」顧客だけでなく、医師、看護師、病院スタッフを「内部」顧客ととらえ、まず内部顧客から信頼を得られることが大切である。

患者とのコミュニケーションが大切で、何をしているのかきちんと伝えるようにしている。また、ビジネスコーチングなどの技法を学び、活用するようにさせている。それを、自分を創るためにも必要と考えている。医療者はどうしても自分に答えがあると考えがちであるが、「答えは相手の中にある」というビジネスコーチングの基本的な考えが医療者に必要である。

若手の提案も積極的に活用する。スポーツ医科学センターを若手の提案に基づいて設置・運営している。診療時間を午後にしたり、リハビリセンターを併設している。

入職式のときに、やりたいことをやってください、と伝えている。失敗するのもプロセスの一部であり恐れないで取り組んで欲しいと考えている。

賞与でマイナス評価はない。加点方式にしている。

目的を明らかにしておく、そこへ到達する道はいくらでもある。能動性が組織の活性化にとって一番大切である。