クローズアップ現代特集「“ウーマノミクス”が日本を変える」

ウーマノミクスはさまざまな商品を生み出しているだけでなく、仕事の進め方自体を変えようとしている。

社会の閉塞感を打開する鍵としてウーマノミクスが注目されている。女性の社会参加による暮らしやすい社会を作る動きは今や世界の潮流である。

男女平等度ランキングでは日本は94位にある。賃金格差が大きく管理職への登用が少ない。日本では結婚、出産で職場を離れる女性が多い。

麒麟麦酒では女性がノンアルコールビールを開発した。飲みたいが飲めない忙しい主婦をターゲットにした商品である。

企業が女性に着目するのは、今や消費の主役であるからである。自動車の購入に当たっては、それを決めるのは80%が女性である。日産自動車では女性の特徴をとらえ、どのような自動車を開発するか検討している。そして導入した機能はおおむね男性にも評判が高い。

緩衝材の「プチプチ」を作っている中小企業では、売り上げが伸び悩んでいた。女性社員が指でつぶすおもちゃやペンケースなどいろいろな商品を作り出した。宇宙開発事業団JAXAとも共同開発が進んでいる。売り上げが1.5倍となり、開発した短大卒の女性社員は取締役となった。

全国の女性社長は60,000人に達している。企業家どうしが結びつく場も生まれている。

北海道大学教授 宮本太郎)女性の活用率と経済成長率は相関関係にある。しかし日本では出産とともに6割の女性が会社を辞めている。

(コラボラボ社長 横田響子)インターネットの普及で小資本による会社設立が可能となっている。また、会社の中では受け入れられない提案も事業化することができる。細やかな心遣いが特徴である。

企業においても、残業を禁止し、育児や家事で帰宅する女性に冷たい視線を向けないようにする取り組みがある。

制度があっても、環境が整っていない場合には女性は働きにくい。これまで仕事一筋だった男性が女性の活動を阻害している。そうした男性は、女性が家事でどのような苦労をしているか知らない。

サイボウズでは、ワーク重視、ライフ重視のいずれかを選択できるようになっている。いっときずいぶん女性が辞めてしまって困っていた。これにより会社に残ってもらえるようになった。人事は、比べるのではなく一人ひとりを細やかに見るということであると思う。

ノルウェーでは上場企業の役員の40%は女性とする法律を制定した。日本でも2020年までに政治・経済分野で指導的立場の30%を女性とする方針を閣議決定した。

大和証券では、いきなり4人の女性執行役員を誕生させた。

(宮本)これからは仕事の物語は男性、家族の物語は女性という役割分担されてきた。しかし、男女ともに両方の物語を生きていけるような仕組みづくりが大切。

■コメント

間違いなく言えると思うのは、女性は働くことで生き生きできるということです。経済のパイも女性らしい視点を活用することで大きくなるのでは。

活躍している女性のみなさん、ガツガツ働いているのでなくてしなやかですね。素敵です!