社会と銀行( 10) 第12回「インターネット銀行」吉野 直行

社会と銀行 (放送大学教材)

社会と銀行 (放送大学教材)

アメリカでは1950年代の初めにカードを利用できるようになった。カードの発達の背景とメリット・デメリットを見ていきたい。

従来の銀行もインターネットビジネスを始めた。また、インターネット専業銀行も出てきた。

われわれは取引金融機関を選ぶにあたり、近所に店舗やATMがあること、経営が健全で信用できる、店舗網が全国的に展開されている、が中心だが、インターネットサービスも重要な要素になってきている。そして、インターネット銀行はコストを切り下げ、利回りが高く、小口でも預け入れや引き出しができるというメリットがある。

決済手段としては、昔は現金がほとんどだったが、現在はクレジットカード、電子マネーが利用されるようになってきている。また、公共料金なども現金ではなく口座振替を利用している。

これにしたがって貨幣の流通枚数はバブル期などと比べると極端に減っている。インターネットバンク、口座振替を利用しているのだ。

インターネット銀行の口座数は456万件に伸びてきて、1兆8000億円の残高となっている。30~50歳代の60%近くはインターネット銀行を利用している。一月に1万円から5万円を利用している。利用の理由としては、時間を気にしなくてよい、移動時間がかからない、手数料が安い、スピードが早いといったことがある。

クレジットカードの決済高は27兆円になっており、またコンビニでの収納代行も6兆円ときわめて多く行われている。

金融機関の店舗は減っておりこれをCD/ATMで補っているが、コンビニは増え続けている。

金融機関の犯罪では、偽造・盗難キャッシュカードが群を抜いて大きい。

クレジットカードの発行枚数は非常に多くなってきているが、個人破産の件数は2005年に約20万件となっている。これは自分の資力を超えて買い物や借金をすることによる。

フィッシング・スパイウェアについては、巧みにID、パスワードを盗み、これを利用してお金を引き出すなどの手口を利用した犯罪である。これを防ぐためには、最新のセキュリティーソフトを利用すること、ネットカフェでインターネットバンキングを利用しない、メールの送信先を確認する、取引銀行のHPはお気に入りに登録して利用する、被害にあったと思ったらすぐに銀行に連絡することがある。