ハートをつなごう「HIV第2弾(1)“就労編”」

HIVは、長年かかって抵抗力が弱くなっていく病気である。そして抵抗力が落ちて症状があらわれたときにAIDSを発症したという言われ方をする。しかし、医療とつながることによりこの発症を抑えることが可能になってきた。

しかし、現実にはHIV陽性者には就労の受け入れが不十分である。

カズマさんは、原因不明の熱が出て、病院に行ったが快方に向かわず、もしかして、と思って訪れた無料の検査所でHIV感染が明らかになった。

体調の悪い状態が続いたが、2年経ってようやく働くことができるようになる。そしてバスの運転手として再就職したいと考え会社訪問をするが、2年間の病気生活に質問が集中して実に210社以上から断られてしまう。

障害者枠もあるため、免疫機能障害の身体障害者手帳で就職活動するがやはり理解が得られない。トイレや食堂が共用なので感染したら困るといわれてしまう。

現在でも母親からの仕送りで生活している。老いた母親がパートで仕送りしていることについて引け目を感じている。

(カズマさん)社会から取り残された印象をもっている。

障害者雇用制度で就労したHIV陽性者は2.7%に過ぎない。

HIV陽性者を雇用した外資系企業、最初は隠しており仕事ぶりも評価を受けていた、そして何かのきっかけでそれが分かってからは職場の同僚が抗議するようになった。内部で勉強会を行い、通常感染することは考えられないことが分かった。そして職場全体で受け入れる雰囲気となった。会社では、こうした障害のある方を受け入れに当たっての基本的な指針を作成して対応し、二人目も雇用した。