歴史は眠らない 沖縄・日本 400年 第3回「近代沖縄の苦悩と挫折」

沖縄は、明治期に日本に制圧された。そして第二次世界大戦に向かう中で沖縄の人々は日本に隔たりを感じるようになっていった。

65年前に沖縄では激戦が行われた。住民を巻き込んだ最大の地上戦だった。大日本帝国に併合された沖縄がどのように沖縄戦に巻き込まれていったのか。

日本は1872年に琉球を自国の領土に組み込み、沖縄県とした。日本は、沖縄の同化政策を実施し、さまざまなことを本土と同じように変えていった。しかし、民衆は琉球以来の文化を捨てようとはしなかった。

第一次大戦後、不況下において沖縄のサトウキビ産業は壊滅的な打撃を受け、「ソテツ地獄」と言われた。そして沖縄県から本土へ出稼ぎに行くものが増えた。しかし、本土では沖縄の人々を受け入れようとしなかった。そんな中、沖縄の人々はやむなく自分たちの文化を捨てざるを得なかった。

1937年の日中戦争では沖縄県国家総動員体制に組み込まれていく。大日本帝国の臣民となっていった。

1940年12月、太平洋戦争が勃発した。当初日本は広く太平洋圏を支配下におさめていった。沖縄は戦線の中枢的位置づけを占めることとなった。そして8万人の日本陸軍が沖縄に上陸した。沖縄の人々は陸軍(32軍)を受け入れ食糧援助などを行ったが、軍のほうでは沖縄に対する不信感を持っていた。

沖縄戦がはじまると、日本軍は「ガマ」といわれる壕から沖縄の人々を追い出したり殺害したりした。

1945年6月に国会は本土決戦を決議した。沖縄の人々は、これは自分たちを見捨てたのだととらえた。

沖縄の住民10万人が沖縄戦で亡くなった。こうした惨状の中で沖縄の人々は本土への恨みを持つようになっていった。