追跡!A to Z「漂流する主婦~“借金難民”500万人の衝撃~」

ヤミ金に手を出す主婦が増えている。多くは生活費を工面するためのものである。

・借入れが5万5千円でも利息だけで16万5千円に達してしまう。

・借入れしたことを家族にも言えないという現実がある。

・これまでクレジットカードで借入れしてきたが、最近は借入れができなくなってしまった。これは6月に改正された貸金業法により、年収の3分の1を超えて借金ができなくなったためである。もともと主婦には収入がない。夫の承認があれば借入れできるが夫には相談できない。自分と結婚して貧乏くじを引いたとは思われたくない。

・法改正により借金ができなくなった者は500万人に達すると考えられる。

・1983年当時、サラ金からの主婦の借金が問題となっていた。身の丈にあわない借金をして子供と心中するなどの問題が生じていた。

・改正貸金業法により、多重債務者は3分の1に減った。しかし、主婦が借入れできなくなるという問題が現れた。

・金銭の貸し借りで友達をなくすなどの問題があり、そんなことになるのならとヤミ金に走っている。

・孤独な主婦の心にヤミ金が巧みにしのびこんでいる。ソフトヤミ金という。最初はヤミ金とはわからせないような形で近づいてくる。最初は怖いと思わせない。金利だけ返してくれればいいというスタンスである。夫と会話のない主婦がターゲットになる。主婦相手のカウンセリングとうそぶいている。

・しかし、だんだん脅しを利かせてくる。夫の会社に知らせたり、子供に危害を加えるようなことを言い始める。

・最初5万円借りただけだったが、たった二カ月で利息が80万円を超えた。そして業者からの脅しが始まった。わずかの借金があっという間に膨れ上がる。

・借金を返せなくなった主婦については、風俗業に送り込んだり、キャッシュカード詐欺などさまざまな犯罪に手を染めさせる。

金融庁では、今回の改正は多重債務を減らすことを目的としたものであり、主婦のヤミ金利用の問題までは想定したものではない。配偶者との相談や、社会福祉協議会への融資などを利用してほしいということである。しかし、この融資制度はすぐには借りることができず、また、制度自体もあまりよく知られていない。

司法書士事務所に主婦からの相談が多く寄せられている。周囲に相談すらできず孤立した状態であることがわかる。