クローズアップ現代「機密告発サイト・ウィキリークスの衝撃」

・組織の情報を内部告発するサイトとしてウィキリークスがある。戦争、銀行のマネーロンダリングや政治家の汚職などの情報が、誰が告発したのかわからないような形で流出している。

・このサイトの管理者、ジュリアン・アサンジ氏(39歳)は、居所を明かそうとしない。米軍からスパイ容疑で捜索されている。ウィキリークスでは40万点に及ぶ米軍の文書が公開されている。イラク戦争中に、誤って一般市民を殺害した映像なども掲載されていた。

・アサンジ氏はもともとは天才ハッカーとして名をはせていた人物である。NASAのコンピュータにも侵入し、システムを停止させたことがある。そうした経験を通じ、組織には外部に明らかにされていない情報があることを知り、ウィキリークスを立ち上げた。協力者が世界各国に1,200人もいる。スウェーデンの、以前は核シェルターとして利用されていた地下室にサーバを設置している。

ウィキリークスでは、サーバに侵入したハッカーが暗号を解読して、報道機関へ送り、報道機関のジャーナリストが裏付け取材を行った上で公開される。

・今年5月にはウィキリークスに情報を渡したとされる元イラク戦争時の情報担当者が逮捕されるという事件があった。

ウィキリークスで名前を明らかにされた者は、場合によっては命の危険に直面することになる。

・(国谷)アサンジ氏は既存のメディアは権力の監視役になっていないとしているが。

・(レム・ライダー 米ジャーナリズム専門誌副代表)新聞では掲載を躊躇するような記事をウィキリークスは掲載している。今後は既存のメディアと手を携えていくのではないか。

・(レム・ライダー)情報の信憑性についてウィキリークスはどこまで吟味しているかわからない。また、影響を考えずに公開しており、場合によっては人の命を危険にさらすことになる。ウィキリークスは、新しいメディアになるというのではなく、今後の情報のソースの一つになるということだろう。

■コメント

・この直後に国家の最高機密に属する尖閣の漁船衝突ビデオがyoutubeに流出した。この現実は、管理者のいない情報提供の実態を何よりも雄弁に語っていた。