仕事学のすすめ 南場智子 世界を見据えたベンチャーマインド  第4回

・ 文系だった南場さんがどうやって理系社員を束ねているのか。

・ (南場)中心としての社長がいて、部下を指示して動かすというのではなく、一人ひとりが球体の部分を担っているような形が望ましい。

・ 社長室はガラス張りにしている。「球の表面積を担う」、「全力コミット」、「透明性」、「発言する責任」、「自分が最後の砦」、この五つを社是としている。

・ (南場)社長として最初はトップダウンだったが、時間が経って自分ができることは少ないということ、他の人が正しい判断力を持つということ、がだんだん分かってきた。ピラミッドよりも球、一人ひとりが球の表面積を担うことが組織の理想である。そうした形になれば「この部分については私が代表です」という意識を持つようになり、その人自身が伸びることとなる。

・ 社員と直接コミュニケーションをとることが大切。自宅に社員全員を呼んでパーティをしてコミュニケーションしている。ときには社員から辛らつなことを言われることもある。2秒考え、真剣に考えてくれていると感じ、それを言ってくれたことに感謝するということもあった。

・ 球体組織の社員をどのように育成しているのか。それは若い社員であっても社運を握るような重要な案件を担当させるということである。

・ (若手社員)「球の表面積を担う」というのは、「責任感を感じる」ということではないかと思う。

・ (勝間)本当に球の表面積を担えることができるかどうかをよく見極めて雇う人を決めることが重要。そして、そうして雇用した人を部下としてみるのではなくビジネスパートナーとしてみることだと思う。