クローズアップ現代「見過ごされてきた踏み間違い事故」

・ アクセルとブレーキの踏み間違い事故が多く起きている。

・ アクセルであるにもかかわらずブレーキであると勘違いしてしまう。例えば携帯がかかってきて注意が離れたとき、またバックのときなどにこの勘違いが起きやすい。バックにおける踏み間違いの場合は、身体をひねることが原因していることが分かった。

九州産業大学の松永教授は、アクセルとブレーキが近くにあることが原因であるとしている。踏み間違いはそもそもオートマチック車が普及し始めて起きるようになった。当時は新しい機構に慣れていないから踏み間違いが起きるのだと言われたが、オートマ車が普及した現在でもこうした事故は減っていない。

・ (畑村洋太郎工学院大学教授)トヨタの事故があって、このことを考えなければならないと思うようになった。一年に7,000件の踏み間違い事故が起きている。マニュアル車からオートマ車になって、ペダルが少なくなってよかったと思われたが現実はそうではなかった。

・ センサーを使い、踏み間違えても暴走を防ぐ仕組みがこれからの自動車にビルトインされようとしている。また従来車の改善ということでは、急ブレーキを踏むような異常な力がアクセルにかかるとエンジンが切れるようになる仕組みを開発した会社もある。また、ペダルの形を根本的に変え、ワンペダルでアクセルとブレーキとする仕組みを開発した熊本県の鉄工所もある。

・ (畑村)上記の例のうち、一つ目はセンサーを使ったもので「制御安全」である、二つ目と三つ目はもともと間違い自体を起きることを防ぐもので「本質安全」である。今の時代は制御安全に傾きがちだが、もっと本質安全を目指すべきである。

・ (畑村)よさそうな改善はすべてやってみて、一番いいものを残していけばよい。人間を中心として、これは自動車に限定されることではないが、誰でも間違えるということを前提に設計すべきだ。

・ (畑村)ドライバーは、いつでも自分は間違えるんだ、間違いのイメージはこうだということをよく認識することが必要である。