視点・論点「観光立国 日本の戦略を問う」(ちばぎん総合研究所会長額賀信)

・ 観光振興は今に始まったことではない。バブルの時代でも盛んだった。しかし、当時と今は観光振興の考え方が違う。当時は内需主導ということでリゾート開発などが行われた。今は外国人観光客の誘致が主眼である。リゾートではなく伝統や文化の再評価に重きが置かれている。

・ 豊かになった東アジアの人々が国外に出るようになった。政府の新成長戦略では2,500万人の観光客を呼び込むことを計画している。

・ しかし2,500万人が来たとしてもGDPを押し上げる力は1%程度しかない。観光「立国」というには程遠い。

・ また、観光客は東京など大都市に来るはず。地域活性化を実現する手段にはならない。

・ フランスは7,420万人、スペインは5,223万人が訪れている。日本は679万人に過ぎず世界の33位である。

・ 2020年に5,000万人程度の計画を立てるべきではないだろうか。そうでなければ立国にはつながらない。

・確実にいえるのは、人の来なくなる地域は衰退するだろうということである。