仕事学のすすめ 南場智子 世界を見据えたベンチャーマインド 第2回

・ 人材を積極的に集める。企業の成否は人材が決める。社長自ら人材募集のパンフレットを配る。

・ 求める人材とは、「会社という船をこぐ」だけでなく、「船を最初から作り上げる」気概を持った人材である。

・ DeNAでは、3,000台のサーバーの管理を一手に引き受けている社員がいる。この社員は世界的なIT企業からヘッドハンティングした。「あなたを必要としている」と口説き落とした。「こんないいことがあるよ」よりも「あなたを必要としている」と口説く方が訴えかけると思う。

・ オークションサイトの統計を自製し、サイト上に公開していた東京大学人工知能研究者。アルバイトから正社員として入社した。現在取締役とエンジニアを兼務している。甘い紅茶がないと仕事にならない。社長が紅茶を送っている。

・ 社長は行く先々で人材を口説いている。そしてサイト上で自社の優秀な人材を公開している。逆に引き抜かれてしまうリスクもあるが、「こういう人がいるのなら」と、同じようなエンジニアが集まるような仕組みにつながっている。

・ 新採で入社したてであっても、スキルを持った人材には迷いなく重要な案件を担当させる。

・ おとなしく規律正しい会社より、「社員の暴走」があちこちで起きる会社の方が活力がある。

・ (勝間)南場さんは人の行動、印象を見てすぐに人材としての価値を判断できる。たしかに、会って2分後の印象と20分話を聴いた後での判断はそれほど変わらないものだ。

■コメント

・仕事をするという視点で見ると、自分が考え・決定し・運営している、意志に従って「暴走」する、これが一番やりがいがあることである。この環境を南場さんは作り出そうとしている。

・さまざまな規制でからめとられている組織は、一番大切な「やる気」を失っている組織でもある。

コンプライアンス、セキュリティということは必ずしも規制という側面ばかりを持つものではないと思うが、目的をふまえ決まり自体を考え直すということをできる人材がどれだけいるというのか。