視点・論点「尖閣問題の検証」(慶応義塾大学教授 国分良成)

民主党の外交をめぐって大きな議論が出た。しかし、世界では、日本の外交ではなく、なぜこれだけ中国が強硬なのかということに注目が向けられていた。この分析について日本のメディアは弱かった。

・中国はどんな姿勢で世界に向き合おうとしているのか。黄海では哨戒艦が沈没し、北朝鮮の関与が疑われたが中国はこれに反対した。南シナ海でもベトナムの漁船が拿捕されたりインドネシアなどともいさかいがあった。東シナ海ではヘリコプターによる威嚇、艦船の通過などがみられた。

・中国国内では、自分が弱いときは頭を下げてやり過ごすという外交のあり方に批判が高まり、強硬な姿勢を示すべきだとしている。国内は様々な問題が噴出している。軍の発言権が強くなってきている。

ノーベル平和賞の問題もあり、中国は引き締めを強めていくだろう。

日中関係は少し落ち着いたが、タカ派の発言は強まっている。中国国内の状況をよく分析することが必要である。