都市と防災( 08)第2回「都市・災害・都市防災」◇目黒 公郎・村尾 修

都市と防災 (放送大学教材)

都市と防災 (放送大学教材)

・ 都市の作り方には三つの視点がある、精神的な安らぎ(宗教都市)、他国からの攻撃への防御(城郭都市)、自然災害からの防御、である。

・ このうち、前二つは現代、相対的にその役割は低くなっている。しかし、災害の影響をできるだけ少なくするという視点は重要さを増している。

・ 1961年にWHOによる健康的な住環境の人間的基本性能要求として安全性、保健性、利便性、快適性があげられるとしている。

・ 都市災害には自然災害(気象災害)、産業災害(事故災害)、その他がある。

・ Risk=hazard(自然災害)×vulnerability脆弱性)である。われわれは脆弱性を少なくすることでリスクを低くすることが必要である。しかし、この視点だけでは大規模・低頻度の災害は、起こってしまうと対応ができなくなってしまう。抑止力を高める、減殺対策、被害の見積もりと対応、復旧・復興を準備しておくことが必要である。

・ 都市では密集しているため被害が連鎖しやすい。また、いろいろな機能の中枢が破壊されることにより生活が機能しなくなる。隣づきあいも少なくなり対応能力が低くなっている。

・ 昭和45年4月天六ガス爆発事故(大阪)、死者79名。1984年世田谷ケーブル火災、1995年阪神・淡路大震災などが都市災害の例としてあげられる。

・ 被害を阻止するためには、防波堤を高くするというコストのかかる方法より防波堤を超えたものをくみ出すなどコストをかけずに対応する方法の方が現実的である場合もある。