映画『ラ・ボエーム』

ネトレプコ演じるミミとビリャソン演じるロドルフォによるプッチーニ・オペラの映画化作品である。冬のパリを象徴するような暗い空と降りしきる雪、そしてボヘミアンたちが暮らした安アパートなどの光景が印象的な作品であった。作品の中では、やはり「私の名はミミ」というこのオペラでもっとも有名なアリアを歌う、ミミとロドルフォが出会うシーンが最も素晴らしい場面であった。

オペラの映画化というと、ポネルの演出によるものが有名だが、かなり年数も経過しており、新しい形での再構成が期待されているところと思われるが、この作品は、リアリズムを追求するあまり、本来の舞台では捨象されてしまい、見なくてもいいような汚さまでも表現してしまっているように思われた。配役も、ビリャソンではなくてもいいのでは・・・と思われた。

恋愛における心の揺れもリアルなものだったように思われた。

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