平幹二郎、麻美れい他『山の巨人たち』新国立劇場

新国立劇場で演劇を観たのは初めてである。

平幹二朗、麻美れい主演のこの作品だが、イタリアのノーベル賞作家ルイジ・ビランデルロ(1867~1936)によるもので、遺作であり未完成の作品でもある。

正直なところ、難解でストーリーがよく分からない。山間に立つ別荘に訪れた劇団の話である。未完成のため、最後は、こんなストーリーが構想されていました、という字幕が流されて終わるのだが、それを聞いてもよく分からなかった。

舞台も、別荘が立つ山間の橋の上からまったく動かず、ここで別荘の主人や劇団員とのやりとりが展開される。セリフの一つひとつには深い意味を感じさせるところもあった。逆にいうとセリフがすべての世界であるため、観る側としては相当の緊張感を強いられる。また俳優たちの動きや仕草、セリフ回しなどもこなれたものであり、主演の二人の存在感も十分感じられた。ただし凄みみたいなものまで感じるには至らなかった。

初めての演劇鑑賞としては少々難解だったが、公演が行われた中劇場は舞台と観客との距離が近く、一体感のようなものは感じられた。

f:id:alpha_c:20081104081223j:image