新日曜美術館『20世紀美術の異端 不思議な箱のコーネル』

・ジョセフ・コーネル(1903-1972)は、アメリカで生まれ、箱のアーティストという異名を持つ。

・コーネルの作ったさまざまな箱を見ていて、最初のうちは変わったものを作ったんだなあというくらいの印象だった。しかし、「観てどうか」ということだけでなく、どんな思いで、どんな世界をそこに作ったのか、という視点からは、印象ががらりと変わることがある。この箱はそういった一つである。

・孤独に向き合い続けた人生だったようだ。孤独であるとかわいそうという見方がされがちだが、じつは人間にとってもっとも必要なのは孤独である。孤独の中ではじめて自分と向き合うことができる。

・コーネルは、箱を使ってさまざまなものを表現した。鳥や蝶、祈りをささげる赤ん坊など、コルクの玉を効果的に使用して自分だけの世界をつくっている。

・過去を振り返って、たとえば昆虫採集は箱に飾っていたし、コインを自分で箱をつくり飾っていたことなどを思い出した。あの箱は、小さな箱であったけれど、本当に一つの宝物=世界であったなあと思う。

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川村記念美術館で2月まで