新日曜美術館『母と娘 咲き誇るいのち 丸木スマ・大道(だいどう)あや』

水彩で描かれた絵は、一見してプロの絵という印象ではない。二人は母娘であるが、そろって70歳、60歳過ぎになってからたくさんの絵を描いた。

とりわけ大道あやの花火の絵、これは夜空を数えきれないほど多くの大きい、小さい花火が埋め尽くしている。そして絵画の下部、水の中には多くの魚が泳ぎまわっている。美しいのものと、たくさんの命を対照させている。ありえない光景であるが、これは「絵」でしか表現できないものでもある。

そして何か滑稽なところもある丸木スマの絵、たとえば、子供の描く絵のような人や動物たちが絵の中に顔をのぞかせる。これはどこか優しさというものにあふれた母親の絵という印象である。むかしから母親たちはこんな絵を描いていたのだ。

大道あや『しかけ花火』】

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