ニューヨーク

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終日 ニューヨーク市

■日記

ハーレムのYMCAの夜はひどいものだった。夜が明けて早々に逃げ出すように外出する。それでも朝日を浴びたその外観は、レンガづくりで、古めかしくどこかおどろおどろしいものの一種独特な重厚さを漂わせていた。

【#31 マンハッタン130丁目(ハーレム)のYMCA】

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ニューヨークは路線バスも充実しており、黒人のこどもたちをたくさん乗せた路線バスに同乗し、中心部へ向かう。

まずは、マンハッタンの中央にはセントラルパークに立ち寄る。都市としては、もっとも「使えそうな」場所をぜいたくに広大な緑地としている。丸く囲われた東京の皇居とは異なり、累々と南から北へとつづく摩天楼がある地点からぷっつりと断たれてこのセントラルパークとなっている。公園内は森あり芝生の丘あり池ありで、優雅に大型犬を散歩させている姿も見かける。タイムズスクウェアの雑踏が嘘のような場所である。

【#32 朝のセントラル・パーク】

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【#33 エンパイア・ステートビル】

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さらに南下してマンハッタン最南のウォール街へ向かう。ここは道幅が狭い割には人も多い。メリルリンチ証券のシンボル、大きな牡牛(Bull)の銅像の前では陽気な中国人観光客が群がって記念写真を撮っている。彼らはあたかも修学旅行のような無邪気さがある。

ニューヨーク証券取引所NYSE)もテレビでよく見かける建物だが、ずいぶん狭い一角に建っている。

【#34 ニューヨーク証券取引所NYSE)】

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ここからは、自由の女神像が近い。さらに南へ渡るスタッテン島行き無料フェリーに乗船すると、やや小さくはあるけれど右手にその姿を臨むことができた。思っていたよりは小さかったかもしれない。専用の観光船からはさらに近づいた姿を見ることができるようになっている。

【#35 スタッテン島行きフェリーから見る自由の女神

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引き返してグランド・セントラル・ステーションへ向かう。この駅は、ニューヨークに降り立ったペン・ステーションとは異なり近距離への路線が中心の駅ということだが、ペン・ステーションが小さな空港のような作りだったのと比べ、こちらは巨大な博物館のような壮麗さである。ホームも少なくとも番号表示を見る限り100以上の番線があるようだ。また、オイスター・バーという名の有名なレストランもある。

国連本部へも足を伸ばす。島の東岸、意外と街外れにある。こちらもテレビでよく見る有名な建造物だが、石造りのマンハッタンとは好対照で、いかにも戦後の、現代風ではなく、当時の未来風といってよいのか特撮に出てくる何かの司令センターのような雰囲気がある。

夜になり、大リーグの試合を見るために、マンハッタン島のさらに北、川を地下鉄をくぐってブロンクスへ向かった。ヤンキー・スタジアムは、駅からこうこうとした照明の光を放っていた。扇の手に持つ部分の奥行きが深い、独特な形をしている。青い外野フェンス、天然芝が光に映えて美しい。また、内野のフェンスがないため手にとるように身近な形で野球観戦できる。

ランディ・ジョンソンが投げ、松井が打つ。子どもが背番号55のユニフォームで応援しているのがうれしい。また、これは名物のようだが、ポップコーンを売り子に注文すると遠く離れた下の通路から投げてよこす。これが見事にストライクで、あとでお代を取りにあがってくるのだった。

この日も、しばらく見た後で「ハーレム」ならぬ「悪の巣窟」へ帰るため球場を後にした。