メンフィス→シカゴ

■日程

22:40 メンフィス駅発(City of New Olreans号)

翌9:00 シカゴ・ユニオン駅着

■日記

朝を迎え、ようやく周りの状況を認識する。ハイウェイ横の、雑木林もあるような一角で北海道のような開拓地めいた、というと大げさだが閑散とした場所だった。一階では、簡単な朝食(シリアル、ジュースなど)を食べることができるようになっている。シリアルが透明な箱のようなものに入っていて、最初はどうすればいいのか分からなかったが、レバーをぐりっとひねるとバラバラ出てくるのが面白かった。

【#06 [前日]メンフィスはエルビス・プレスリーゆかりの地】

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【#07 [前日]観光客も多いビール通り】

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【#08 モーテルの朝食】

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テレビをつけると、気温が88度と表示されている。もちろんこれは「華氏」の表示なのだが、これが「摂氏」だと何度なのか、ということは全然分からない。ただ、実感として、朝から猛暑なのだった。

街の中心には車で送ってもらい、いろいろ歩いては見るが、暑い暑い。街自体、そんなに面白みがないこともあるが、喫茶店で休憩したり、長距離バスのグレイハウンドのバスデポ(待合所)で冷房にあたりながら仮眠をとったり、と最初からグロッキーの一日だった。

街の中心に球場があった。メジャーリーグではないが、Memphis Redbirdsというチームのホームグラウンドらしい。すり鉢上になっており試合は行われていなかったが、入りやすくこぎれいでフレンドリーな感じである。地域の人に愛されている球場といった雰囲気がある。

球場近くにはバスデポがある。コインロッカーがあるので、しょってきたザックはここに預けた。バスデポからは、ひっきりなしに各地へ向かう特徴のある銀色バスが出発していく。大きな体躯の、多くは黒人たちが、引っ越しでもするのかと思うくらいの大きな荷物、スーツケースを抱えて乗り込んでいく。バスデポには、安いホテルの広告も出ている。ホテルには無料で電話をかけることもできるようになっていた。(自分にはちょっと交渉は難しいが・・・)

【#09 メンフィスのバスディーポで】

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ミシシッピ川の外輪船クルーズも体験した。川は茶色に濁っており、クルーズといっても見どころとしては川以外には立派な鉄橋と、街の北に見えるピラミッド型の建物くらいである。ミシシッピ川もここはまだ中流域であるが、さすがにアメリカ一の大河の片鱗をうかがわせるものであった。

【#10 泥のミシシッピ川の小クルーズ】

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夜になり、あの廃墟のようなアムトラック駅へ向かう。駅は地平ホームである。すでに列車(City of New Olreans)を待っている人も数人いる。

しかし、予定時刻をすぎても列車は現れなかった。待って、待って、待ちくたびれて、1時間も経ったころ、ようやく大きな電気式ディーゼル機関車にけん引された目的の列車が警笛を響かせながらやって来た。

アムトラックは、もともと旅客用の路線ではなく、貨物線を「借用」して列車を走らせている。飛行機と車文化のアメリカらしく、シカゴ-ニューオリンズという主要都市を結ぶ路線に一日たった一往復しか列車が走らない。貨物がメインで旅客はサブ、遅れが出るのもいつものことで、今回のようにハリケーン被害があったから、ということではないようだ。

列車は、このメンフィスで給油を行い、シカゴへ向けて出発した。総二階建てで、重量感のある銀色の車体である。列車には結構乗客が乗っていた。夜中なので静かではあるが。列車内は、信じられないほど冷えており、上着を重ね着しないと耐えられない。まさに冷蔵庫のような状態だった。なお、コンセントがあり、パソコンなども利用することができるようになっている。隣は障害のある青年でともかくじっとして動かない。

アムトラックで特徴的なのは機関車の警笛で、「プァーン・・・アッ」という響きを夜通し聴くこととなった(この響きは、どの路線でも同じだった)。野生動物などの線路への侵入を防ぐためであろうか。